今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第40回 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第40回

トニー・オリエンツァ講師の説明によれば、テクニカルカレッジは全国に8校ありそのうち首都ポートモレスビーに2校、ラエ、ラバウルなど主要都市に1校ずつ設けられているという。

 

 構内に入ると車は住宅らしい建物が並ぶ一角に近づいた。あれは職員の住宅だとオリエンツァは指さした。中に入れますかと聞くと、友人だからOKよと言って車を近づける。木造二階建ての質素な建物で、二階が住まいとなっている。でっぷりした中年の女性と小さな男の子が出て来て、オリエンツァと話している。ジャパニーズが家庭のことを見たがっていると言っているのがちらほら聞こえる。奥さんの笑顔が見えた。快諾だなと思う。ご主人はカレッジの先生だが留守らしい。二階に二つの部屋とキッチン、リビングがある。ここが夫婦の部屋、ここが子どもの部屋と説明してくれる。日本では決して上等とはいえない屋内の様子であるが、女性の態度から見ると自慢の我が家なのであろう。私達の常識でいう家具というものはほとんど見当たらない。リビングの中央にポツンと置かれた粗末な木のテーブルを囲んで私達は暫し話した。英語が流暢というわけにいかない私には、ちょっとした国際会議といった緊張感もある。この家は御主人がカレッジで働き、奥さんは育児と家事をする。この国では女性の勤務は少ないらしい。子どもはプライマリースクール(小学校)に通っている。これからは教育は大切ですと奥さんは語る。また、日本にかなり興味をもっているらしく、日本の女性はどういう生活をしているか、子どもはどうだ、食べ物は、といろいろ聞かれた。そして、日本人がもっと沢山この国に来れば、この国が発展する、私もいつか日本に行きたいと語っていた。

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。