人生意気に感ず「就任演説は。アメリカ第一とは。法王ナチスと批判」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「就任演説は。アメリカ第一とは。法王ナチスと批判」


◇深夜、私は歴史的瞬間の言葉を待ち、そして聞いた。アメリカ大統領の就任演説だからだ。期待は裏切られた。歴代大統領は就任演説で理念と理想を語った。それは圧政を倒して打ち建てた建国の深い理念であるために聞く人の心に響いた。またそれは、民主主義の理想である故に普遍性と説得力があった。多くの歴代大統領の言葉が人々に感動を与えたのはその言葉を発する大統領の胸に「理念」と「理想」についての熱い思いがあったからだ。

 

 トランプ大統領の演説にも、夢と希望と理念を語る部分はあった。例えば「とても大切な信念があります。国家は市民に奉仕するためにあるということです」。しかし、これらが私の心を捉えないのは、トランプの胸に熱い本物がないからに違いない。

 

 繰り返す「アメリカ第一」が薄く表面的なものに感じられた。アメリカが偉大で、第一である理由は、経済力や軍事力ではない。これは、偉大さの要素であっても本質的なものではない。アメリカの真の偉大さは、自由・民主主義・人権といった普遍的価値が脈々と受け継がれている点にある。トランプタワーを背にした新大統領からはこれらの力が伝わってこない。

 

「アメリカ第一主義」の表現が、内向き、保護主義、ポピュリズム(大衆迎合主義)、ナショナリズム(民族主義)と結びついて響いている。更に、演説の中の次の表現が、トランプの口から出たものだけに気になる。「全ての国々が自己の国益を第一に考える権利がある」。人類の普遍的価値で世界を指導してきたアメリカの重しがなくなろうとしている。世界中が、この状態で国益第一で走り出したら大変なことになる。今、世界の情勢は危険なところにある。歴史の節目であり何が起きるか分からないのである。

 

◇ローマ法王が21日、ポピュリズム(大衆迎合主義)がナチスドイツの独裁者ヒトラーを生み出すと警告した。トランプがこれに当たるかについて判断を下すのは時機尚早としつつもメキシコ国境に壁をつくり不法移民の流入を阻止する政策を、壁と有刺鉄線で自国を防衛しようとしたナチスと重ねて批判した。

 

◇アメリカの民主主義はキリスト教と結びついている。民主主義は本来宗教と分離すべきもの。トランプは「神のご加護」を訴える。アメリカを十字軍と見るISを刺激することだろう。(読者に感謝)