人生意気に感ず「トランプ氏の記者会見と民主主義。光格天皇の勇気」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「トランプ氏の記者会見と民主主義。光格天皇の勇気」

◇今朝深夜、トランプ氏の記者会見を見た。半年振りの会見であり、目前に迫った20日の就任演説との関係も窺えるかと思われ興味をもって見た。第一印象はメディアとの激しい対決姿勢である。CNNの記者を指して、「あなたの質問は受けない」と激しい口ぶり。

 

 メディアとの対決は中国と対比すると際立っている。中国では国家権力でメディアを抑え込んでしまう。これは民主主義とメディアとの関係を浮き彫りにするものだ。民主主義では国民が主人で、国民が主人であるためには情報を得て政府を批判できねばならない。メディアは国民の「知る権利」を支えるもの。中国にはこの構図がない。トランプ氏がメディアと対決することには、アメリカが民主主義の元祖であるだけに重大な問題が潜んでいる。

 

◇トランプ氏は日本についても発言した。日本、中国、メキシコと良い取引が出来ていないというのだ。貿易問題は就任演説でも語られるだろう。ロシアと良い関係をつくると強調していた。プーチンとトランプ、両氏にはその過激性と非良識性に於いて共通性が見える。崩壊前の超大国を目指すロシアと、かつての超大国の回復を目指すアメリカは果たしてどんな関係を築くのか。ロシアとの関係は中国との関係に直ちに影響する。日本との関係ではもっと本質的なことを聞きたかった。就任演説では日米同盟について語るに違いない。それは、中国、ロシアに対する世界戦略に関わるからだ。

 

◇昨日このブログで光格天皇に触れた。現在の天皇の直系で、優しい人柄と言われるが、幕府に対して激しい政治的主張をし、皇室の存在感と地位を高めた。それは天明の大飢饉の時である。浅間の大爆発と重なる。地域によっては人々は人肉まで食べた。天皇は幕府に対して救済を申し入れた。これは、「禁中並公家諸法度」に反すること。現在の憲法で、天皇が政治的発言を禁じされているのと同様である。幕府は要請を認め1,500俵の米を放出した。誠に勇気ある行動であった。天皇の行動は尊王思想を高めることになり、日本の社会を大きく変えていく一つの原点になった。

 

 現天皇の譲位の発言も大きな政治的意味を持つ。しかし、それは個人を超えて日本全体の利益につながる。認知症の天皇という事態は象徴性を傷つけ、日本の文化に暗い影を落とすからだ。新元号は明るい未来思考がいい。(読者に感謝)