人生意気に感ず「韓国の危機と北の脅威。金正恩は何を。朴槿恵の悲運」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「韓国の危機と北の脅威。金正恩は何を。朴槿恵の悲運」


◇朴大統領の弾劾案が9日国会で可決された。嵐のような民衆のデモの力に屈した感がある。罷免を求める国会の判断が妥当かどうかは憲法裁判所が審理する。朴槿恵(パククネ)大統領の罪責は親友とされる崔順実(チェスンシル)の国政介入に関与したこと、及びセウォル号沈没事故の時、7時間も動静が不明だったことである。

 

 韓国の民主主義を考える上で重要なことはこの二つのうち前者、つまり親友との関係であると私は考える。

 

◇「親友」との関係で政治を動かす、これは一つの縁故主義である。韓国の人は、いったん火がつくと「理性」より「感情」で動くといわれるのも縁故重視と関係があるのだろう。最近の空前のデモも「理性より感情」の現われに違いない。

私には、引火性の高い国民に見える。歴代大統領の多くが一族の利益を図って失脚している。全斗煥(チョンドファン)は一家の不正蓄財を追求された。金泳三(キムヨンサム)は次男が金銭問題で逮捕、金大全(キムデジョン)は三人の息子が収賄で逮捕、盧武鉉(ノムヒョン)、李明博(イションバク)もそれぞれ側近や実兄が不正資金問題で逮捕されている。今回朴槿恵氏が親友を国政に関与させたのもこの流れの中にあるといえる。

 

 この韓国の腐敗と混乱を千載一遇のチャンスとして狂喜しているのが北朝鮮である。国際孤立と経済の破綻で追い詰められていた北は国民に自国の正当性を説き、悲願である南北統一のチャンスとして動く可能性が高い。

 

◇北朝鮮の国営通信は11日、特殊作戦大隊の戦闘訓練が実施されたと報じた。これは韓国大統領府襲撃を狙ったもので、その報道の中で「青互台(大統領府)を火の海にし南朝鮮当局を滅亡に追いやる軍の闘志が示された」と述べた。

 

 このような状況は韓国に異常な衝撃を与えているようだ。弾劾可決、大統領職務停止で大統領代行に就いた黄首相は「北朝鮮は指導部の決定次第でいつでも新たな挑発が可能だ」と指摘した。独裁者金正恩は今何を考えいかなる決断をしようとしているのか。独裁者を縛る文民統制(シビリアンコントロール)などはないのだ。まさかの時、あの熱狂的エネルギーを示した国民大衆は、国を守るためにどう動くのか。今、我が国にとっても息を呑む瞬間なのである。「拉致問題」が吹き飛ばされてしまった感がある。朴槿恵の運命は悲しい。(読者に感謝)