人生意気に感ず「中国大使館訪問の意義と成果。天安門事件を」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「中国大使館訪問の意義と成果。天安門事件を」

◇16日午後、我々群馬県日中友好協会のバスは、中国大使館に入った。新規交流事業として企画したもの。何度も入っているが、大使公邸、中庭、大使館の主要部などは初めて見た。

 

 公邸内の美術品は素晴らしく、清朝乾隆帝時代の絵は「この建物以上に高価です」と大使夫人が言う逸品だった。中庭には、各県の木が植えられている一角があって、まだ群馬のものがない。前橋の石榴(ザクロ)を植えることになった。先年、萩市の図書館に植えたが子孫繁栄のシンボルで、今回は日中友好発展の願いを込めて提案した。

 

 映画「楫取素彦物語」の20分に縮小したものを大スクリーンで観た。大使夫人の汪婉さんは日本と群馬の近代の原点たる物語に大きな興味を示された。字幕に中国大使館推薦の文字を入れることを検討することになった。

 

 ロの字に囲んだ懇談は意義あるものになった。中国側は、群馬の日中友好協会が尖閣で火がついた最悪の時にスタートしたことを高く評価した。私は、「最近の沸き立つような世界情勢の中で、日中の関係は増々重要になりました。そのために今回の訪問は誠に意義あるものになりました」と挨拶した。

 

◇懇談の中、現代の名工針生清司氏が「有座の器」を大使館に納めたいと提案し、公邸内に置くことが決まった。孔子の中庸の徳を教える教材で、針生氏が13年の歳月をかけて再現したもの。大使館訪問は予想以上の成果が感じられるものになった。

 

◇大使館訪問の途中、中国人の友人K氏が天安門事件を語っていた。私は当時の衝撃的状況を思い出した。平成元年(1989)6月のことだった。民主化を求める学生たちを中心とした人々は広い天安門広場を埋め尽くした。百万人を超えたとする報道。建国以来初めての戒厳令公布。突入する数十台の戦車。鄧小平は武力鎮圧を決断したのだ。戦車の前に立ちはだかる若者の姿が報じられた。K氏は言う。「鄧小平が武力鎮圧しなければ、中国は現在の中東のようになっていたでしょう」。あるいはそうかもしれない。

 

大使館で「春節」と題した映像を観た。内陸の農村に各地から年に一度集まって新年を祝う人々。中国の広さと懐の深さを実感した。中国を治めることの難しさは始皇帝以来である。中国はどこへ向かうのか。

 

◇子どもの虐待死を出した家庭の7割以上が地域で孤立した家庭とは。子どもは社会で育てるもの。(読者に感謝)