人生意気に感ず「目前の大統領選。世界劇場の終幕は。津波の日に」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「目前の大統領選。世界劇場の終幕は。津波の日に」


◇大統領選が目前に迫った。アメリカの大統領選は日本にとって重大事であるが、かつてこれ程日本人が注目する選挙は皆無であった。初の女性大統領実現という期待もさることながら、トランプ現象に巻き込まれている証拠である。私のまわりには、西部劇やかつてのプロレスの世界の延長のような見方をしている人たちもいる。幅広い日本の層が注目するのは、そういう漫画的、劇画的要素ばかりでなく、中国の台頭、ISのテロ、プーチンとウクライナ、TPP等、トランプ大統領実現によって大きな影響を受けることが余りに多いからだ。

 

 それにしても、長い選挙戦はドラマチックで、世界劇場の観客を飽きさせることがない。終幕を迎えてドンデン返しの期待が用意されていた。クリントンのメール再調査により、無法の悪漢は息を吹き返した感がある。

 

 世論調査も錯綜している。ただ、前回の大統領選で、全米50州全ての勝敗を的中させたことで有名な統計専門家ネイト・シルバー氏の分析による勝利の確率はクリントンが約64%、トランプが約35%なのだという。

 

 アメリカの歴史は、多くの矛盾を孕みながらも自由、平等など、人類の理想を求める道程であった。大統領のポストは、そういうアメリカの理想を象徴するものである。共和党の中枢までが、トランプに危惧を抱くのは、この人物にそういう資質がないと感じるからだ。私は、クリントンの勝利を祈らずにはいられない。

 

◇5日は世界津波の日である。昨年12月の国連総会で、日本が中心になって制定が決まった。1854年、安政元年の安政南海地震の際、多くの人命を津波から救った逸話「稲村の火」に由来する。「稲村の火」のモデルは実在した濱口儀兵衛(梧稜)である。梧稜は、逃げるべき方向を失った村人たちのために裏山(神社)への道を示すために稲束に火をつけた。人々が火の手を目指して駆け上がった直後に大波が村を呑み込んだ。

 

 裏山に逃れて全校の小学生が助かったのが岩手県の船越小。裏山に逃げずに74名の犠牲者を出したのが宮城県の大川小であった。船越小では校務員の必死の勧めが人々を動かした。「これしかない。後で笑われてもいい」と。文科省は、現代版「稲村の火」を作るべきだ。船越小の校務員の話は絶好の教材になる。(読者に感謝)