人生意気に感ず「都議会炎上。解明はどこまで。GPS捜査と大法廷判決」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「都議会炎上。解明はどこまで。GPS捜査と大法廷判決」


◇全国の目が都議会に注がれている。小池知事は、「なれあい」「議会の形骸化」に一石を投ずることが出来るのか。空前の混乱と激戦を制して登場した女性闘士に好奇の目と期待が集まる。彼女を際立たせているのは、傲慢不遜な石原慎太郎や「せこい」と物笑いとなった舛添要一などのお陰といえる。

 

 「豊洲移転問題などが議会に説明される前に発表されたのは議会軽視だ」と自民党が追求した。あれ程騒がれながら議会がその使命であるチェック機能を果たせなかったことを考えれば、この追求は的外れだと思う。

 

 部分的に見れば、軽視に当たるかも知れないが軽視されて当然ではないか。都議会は今、全国の地方議会を代表して批判の矢に晒されている。全国の地方議会は他山の石として自らの姿勢を正さねばならない。

 

 イギリスの諺に、地方は民主主義の学校というのがある。日本の現状は、学校崩壊の危機に直面していると言わねばならない。

 

◇小池知事は、豊洲に盛り土がなかった問題で関係幹部10人以上を懲戒処分することを明らかにした。退職者も含めて検討するという。退職者に対して、内容によっては給与の自主返納を促すというから厳しいものだ。マンモス行政の自浄機能を発揮するためには、真相解明への一般職員の協力が求められる。内部告発をやりやすくする制度が公益通報制度。都は近くこの制度を整備するという。

 

◇調査への協力を表明していた石原元知事は、一転拒否した。都議会では談合疑惑も追求される。都議会炎上の感。解明はどこまで進むか。

 

◇GPS捜査の適法性が大法廷で審理される。連続窃盗事件の上告審である。衛星利用によって追跡する車の位置が分かるのだから、警察とすれば有力な武器。犯罪が巧妙化し、犯人は高速移動する時代。捜査もハイテクで対応しなければならないのは当然だ。

 

 問題は人権保護の観点である。適正な司法手続きを踏まねばならない。強制捜査に当たれば捜査令状が必要というのが法の定めであるから、車にGPSを付けることが強制捜査に当たるか否かが問われる。

 

 最高裁小法廷は、問題の上告事件を大法廷に回した。大法廷への回付は、憲法判断、判例変更、重要な論点が含まれる場合に行われる。下級審は、この強制に当たるか否かで判断が分かれている。私は大いに注目している。(読者に感謝)