人生意気に感ず「元癩の藤田さんの講演。パナマ文書。舛添氏のこと」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「元癩の藤田さんの講演。パナマ文書。舛添氏のこと」

◇元ハンセン病(らい)患者藤田三四郎さんの講演を聞いた。私は先日、草津の施設、栗生楽泉園にこの人を訪ねたばかり。白馬という名の個人住宅群の一室だった。90歳を超えたこの人の記憶力は驚嘆すべきもの。

 昨日の講演でも、多くの参加者は機関銃を撃つようにメモなしで細かい事実がポンポンと出てくることに驚いたに違いない。

 三四郎さんは昭和20年に楽泉園に入り、71年になるという。最前列で耳を澄ますと、炭背負い、特別病棟(重監房)、藤本死刑囚などの言葉を拾うことが出来た。早口の言葉を一般参加者はよく理解出来なかったろうが、長い間差別と偏見の中で生きた執念がほとばしるのを誰もが受け止めたに違いない。

 同じ元らい患者沢田五郎さんの次の歌を思い出しながら聞いた。

 渓流に丸太二本をかけた橋渡れずに泣き出し女性患者ありき

 遠き世の水牢にもあたる重監房火気なく明かりなく日は差し込まず

 重監房のことは説明するまでもないが、渓流の話しは、昔患者が下の六合(くに)の部落から炭を運んだ時の光景である。

 三四郎さんは「今でも差別と偏見がある」と語ったが、癩のこと、楽泉園のことを一般の人が知らな過ぎる。「癩」が訴えることは、人権の問題であることを知らな過ぎる。

◇前回のこの欄でホセ・ムヒカを書いた。「世界で最も貧しい大統領」として注目された人。今、全世界に衝撃を与えている「パナマ文書」、そこで最も攻撃される政治家は、このムヒカと正に真逆な存在。節約か脱税か、違法か合法か。遥かな太平洋の彼方の国の濃い霧の中にうごめく怪しい姿が次第にはっきりするだろう。この文書に記された日本人は約230人とか。有力閣僚の関係者や楽天の三木谷の名が上がる。注目すべきは、中国関係が非常に多く、習近平主席の関係者もあること。アイスランドの首相は辞任に追い込まれ、キャメロン首相も批判を浴びている。パナマ文書なるものが、世界の税の矛盾と不公平、人間の欲望は国境を越えて変わらない、などを明らかにすることになった。

◇週刊誌に舛添氏が叩かれている。新聞も報じ始めた。それによれば海外出張が突出し、渡航もファーストクラスとか。私も議長の時、経費を気にしながら各地を視察した。(読者に感謝)