人生意気に感ず「新たなハンセン病訴訟が。ローマ法王のメッセージ。4千万のテロ予備軍。水木しげるの | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「新たなハンセン病訴訟が。ローマ法王のメッセージ。4千万のテロ予備軍。水木しげるの

◇ハンセン病元患者の「家族」が国に対して謝罪や賠償を求めて訴えを起こすことになった。「元患者」に対しては平成13年、熊本地裁判決によって国の責任が認められた。国は長い間、ハンセン病(らい)の患者を隔離したがその実態は筆舌に尽くし難い悲惨なものであった。この隔離政策の根拠となったのが「らい予防法」であった。熊本地裁は、このらい予防法に基づく隔離政策を憲法違反と断じ患者への賠償を命じた。塗炭の苦しみを味わったのは家族も同様であったが家族がかえり見られることはなかった。

◇ハンセン病(らい)の歴史は洋の東西を問わず紀元前から続いてきた。有名な映画・ベンハ―では死の谷に入れられたハーの母と妹の姿が描かれている。日本では天罰ととられ天刑病と言われた時代もあった。遺伝病で恐ろしい伝染力を持つ故に隔離が必要と信じられた。一度、この病が出ると、その家の女は嫁に行けない、嫁にいっていれば離婚される、子どもは学校でいじめられる、等家族の苦しみは大変であった。無知や迷信が偏見と差別を生んだ。

私は県会議員退任後、「栗生楽泉園入所者証言集」(上・中・下)と「風雪の紋」を貪るように読んだ。これらの中に、元患者と共にその家族の悲惨な運命が描かれている。ハンセン病(らい)の歴史は人権抑圧の歴史である。この度、「家族」が国を相手に訴訟に立ち上がることは、この病を通して、人権の歴史の新たな一頁が開かれることを意味する。明日3日、私は草津の楽泉園を訪れる。

◇現在行われているローマ法王のアフリカ訪問は宗教の役割、そして、IS(イスラム国)に関する重大なメッセージを全世界に発している。私はカトリックに関わる者として法王の勇気から久々の感動を覚えている。法王は次のように訴える。「社会を分裂させ不和と恐怖を広めるため、宗教の名の下に、若者が先鋭化させられている」、「暴力憎しみを正当化するために神の名が使われてはならない」

 法王が訪問した中央アフリカには広大な貧困地域が広がる。ここには4100万人のテロ予備軍が存在すると言われる。貧困は宗教と結びついて暴力と憎しみを生む温床である。法王は、この事実を訴えている。

◇水木しげるが死んだ。長い間ファンだった。「夜は墓場で運動会、楽しいな楽しいな」の歌が聞こえるようだ。(読者に感謝)