人生意気に感ず「ふるさと塾は憲法で燃えた。9条の行方。次の塾は」
◇26日の「ふるさと塾」の「憲法」を参加者は私語もなく熱心に聴いてくれた。一時間半、いつもと違う点は、映像に絵や写真でなく文字を使ったことだ。明治憲法との比較、ポツダム宣言受諾の意味、「押しつけ」の事実、改正の必要性、どのように改正するか、自民党の改正草案等に及んだ。そして、安倍首相は、来年の参院選では、憲法改正を公約に掲げることを明言している、反対するにしても、判断の規準をもっていなければ、根なし草の騒ぎになると話した。
憲法を恐らくよく知らないと思われる若者も熱心に聴いていた。来年は18歳から選挙権が与えられる。学校で如何に憲法を教えるかも一層重要な意味を持つ。
◇新憲法の公布は昭和21年11月3日だが、この年の1月1日、天皇の「人間宣言」が出されたことにも触れた。明治憲法下、「天皇は神聖にして侵すべからず」、「神」だったのだ。昭和21年の1月と言えば、まだ明治憲法が存在していた。しかし、ポツダム宣言受諾により、天皇主権の国体は否定されたと説明した。この関連で、この年5月の食糧メーデーに於けるプラカード事件も紹介した。ある共産党員が掲げたプラカードには次のように書かれていた。「ヒロヒト曰く、国体はゴジされたぞ、朕はたらふく食っているぞ、ナンジ人民飢えて死ね、ギョメイギョジ」。これが不敬罪にあたるとされ起訴された事件である。
◇憲法改正で一番問題になるのはいうまでもなく、9条である。改正草案でも「戦争の放棄」は明記される。しかし、「自衛権」の文言が書かれること、9条の2が新設され、そこでは「国防軍」が規定されることに触れた。
ここで活発な質問が出た。「自衛権の中には集団的自衛権は含まれますか」、「9条がそのように変更されると、徴兵制になりますか」等々。
◇「ふるさと未来塾」は歴史を語ることが本来の目的であった。その中で、十年以上前に「楫取素彦」を取り上げたのである。歴史を学ぶ目的の一つは現代を理解することである。だから、歴史認識に基づいて現代の問題を語ることはこの塾の自然の流れとなる。10月のふるさと塾は10月31日(土)。憲法の続きと、この憲法の歴史的背景を語りたい。ルソーやロックの理論、アメリカの独立宣言、フランス革命の人権宣言に遡る壮大な人類の物語である。(読者に感謝)