人生意気に感ず「採決は成るか。中央公聴会の注目点。チプラスの謎」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「採決は成るか。中央公聴会の注目点。チプラスの謎」

◇安保関連法案の採決が迫った。世論調査の結果は安倍政権に厳しい。憲法論を基礎にした安保関連法案は理解するのに難しい。多くの有権者はマスコミに煽られている。世論調査とはこういうものかと思う。

 憲法9条の表面の定めと自衛隊の現実は大きく食い違っている。自衛隊を変えて9条に合わせることは不可能である。国の最高法規と現実が不一致なのはいかにもまずい。解決策は憲法改正だがその手続きは世界一難しい。しかし、厳しい国際環境の下で国民の生命、安全を守ることは待ったなし。ここに現実政治の悩みがある。

 今日、特別委員会で採決される。与党だけでの採決は避けたい。そこで維新の動きが注目される。

 石破地方創生大臣が「国民の理解が進んでいない」と閣内から異をとなえている。私はあの目を好かない。政治家は見た目が非常に大切なのだ。よく見れば、見た目に全人格が現れる。石破さんには世論をにらんだ上の計算があるのだろう。安倍さんは支持率が下がることを覚悟の上でやる決意だ。世論は民意だから耳を傾けて尊重しなければならない。しかし世論に動かされるなら真の政治は不可である。安倍さんを支えているのは祖父岸信介だろう。安倍首相の悩みと苦しみを国民の多くが共有できるかが重要なのだ。

◇安保関連法案の中央公聴会で5人の有識者が意見を述べた。その一人、外交評論家岡本行夫氏の次の発言が重く心にかかる。「最近15年間だけでも238人の日本人が外国の懸命な働きで救出されてきた。世界が助け合っている時に我関せずの態度を取り続けるのは、日本人を守る負担を他国に押し付けることを意味する」。「この法制の大きな意義は外敵から身を守り合うコミュニティに日本も参加することにある。各国の善意と犠牲の上に日本人を守ってもらうことを良しとしてきた国のあり方を転換できるかの歴史的な分岐点にいる」

 これは大きな説得力をもって迫るが、これも憲法の枠内(合憲)であることを前提とする。

◇世界が息をつめて見守ったギリシャ問題に解決の糸口が。チプラスは「ユーロ離脱は過去のもの」と語った。このギリシャ首相、私には謎に見える。一国を背負って綱渡りをし、メルケル等と笑顔で応じている。アレキサンダー、アリストテレス以来の民族の誇りをエネルギーにしているのか。したたかさも伝わってくる。(読者に感謝)