人生意気に感ず「闇サイト殺人犯死刑。死刑制度は。硫黄島の戦い」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「闇サイト殺人犯死刑。死刑制度は。硫黄島の戦い」

◇25日、闇サイト殺人事件の犯人の一人の死刑が執行された。44歳の神田司死刑囚。血も凍る信じ難い事件で、現代社会の病根の現われでもある。

 神田の携帯電話の呼びかけによりそれまで全く面識のない3人が犯罪仲間を結成。31歳の女性を拉致し、「殺さないでください」と必死で命乞いをする女性の頭を原形をとどめないほどハンマーで殴り続け、現金6万円とキャッシュカードを奪い、死体は山に埋めた。この事件は一人が死刑、二人は無期懲役に確定していた。

 発覚の発端は、仲間の一人川岸が「このままでは死刑になる」と怯え自首したこと。また、この川岸の次のコメントに驚かされる。「被害者は運が悪かっただけ。今でも悪いことは、ばれなきゃいいという気持ちは変わらない。生かしてもらえてよかった。ありがたい」

「悪いことはばれなきゃいい」、こういう心理を多くの若者が抱いていると思われる。簡単に人を殺す、また人をだますという事件が余りに多い。これは、悪いことはばれなければいいという価値観が社会を覆っていることを示す。

 一片の倫理もない獣のような人たちも、死刑を恐れ「生かしてもらえてよかった」と自らの生には執着している。悪の前に厳然と立ちはだかる死刑制度の存在感を思う。

 今、死刑の存続が議論されている。廃止論の一つの論拠は、死刑には犯罪抑止力がないということだが、犯罪者が死刑に怯える事実は否定し難いことをこの事件は物語っている。

◇硫黄島元島民の慰霊訪問の姿がテレビで報じられた。指揮官栗林中将は東京の家族に「この世ながらの地獄」と書き送った。栗林は全島に蜘蛛の巣のように坑道を掘らせた。地下10mで49度に達する地熱の島。米軍は5日間で攻略と予定したが、地下壕を利用する日本軍は屈せず長く耐えた。最後の電報に栗林は「将兵の敢闘は真に鬼神をなかしむるもの」と述べた。日本軍の死者1万9千9百人。米兵の死傷者は実に2万8千686人であった。ある人は書く「一方的な戦闘となった太平洋戦争後半において日本の指揮官中最も効率のいい戦をした名将であり勇将であった」

◇昨日FMぐんまの収録を行った。テーマは「人間力向上」。中村さんは何チカラですかと問われ、一瞬迷ったが「歴史チカラ」と答えた。歴史上の人物から力を得ていることを感じる。(読者に感謝)