人生意気に感ず「敗軍の将兵を語らず。ゆうじ君破る」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「敗軍の将兵を語らず。ゆうじ君破る」

◇昨夜、8時半が過ぎる頃、萩原ゆうじ選挙事務所は緊張感につつまれていた。9時過ぎ群テレで第一回の開票結果が。他は5千から3千の間、ゆうじ君は最下位で、2500票。重苦しい雰囲気が支配した。実は8時過ぎ、ゆうじ君に、万一の時の対応について話しておいた。敗戦の弁の覚悟である。そんなことがないことを祈った。押し潰されるような時が過ぎて、一瞬の間に結果が出た。8300余票。落選である。「アー」というどよめきが起きた。悪夢が現実となった瞬間であった。

 近くで待機していたゆうじ君が現れた。先ず私が挨拶に立った。「残念な結果となりました。皆さんはよく頑張ってくれました。6ケ月という期間は短すぎました」

「初戦でここまでよくやった」会場から声が。私は28年前の自分の姿を思い出した。ゆうじ君と同じ初陣の敗戦。あの時の声、「負けたのではない、足りなかっただけだ」、今はなきさんの声。あの時の私にはすぐに立ち上がる力があった。支える妻がいた。

 ゆうじ君は深々と頭を下げて言った。「みなさん申し訳ありませんでした。すべて私の責任です。皆さんのご努力に感謝申し上げます」30歳の若者が哀れにみえた。

「若いのだからまた頑張れ」と会場から声。ゆうじ君は立ち上がることが出来るのか。親族の内紛など複雑な事情も背景にある。

◇選挙事務所からの帰途、コンビニの駐車場で天を仰いだ。すべては終わった。多くの演説会場で語ったように、私の政治生活の最後の戦いだった。ケータイから娘の声が響く。

「パパは本当によくやった。人生の別のステージが待っているよ。前を向いて生きて」

今、午前3時半、眠れない。ゆうじ君にメールを送った。「眠れていますか。立ち上がれますか」

 敗軍の将兵を語らずというが振り返ればトラブルのある陣営だった。その中で大変盛り上がったのに残念。

◇今月で私の任期が終わる。後継者作りは当面実現することが出来なかった。若い芽は大地に根を下すのか。勇気ある若者を助けて下さいと訴えてきたが、その声はどこまで届いたのか。支持してくれた多くの皆さん、私は正直迷っています。二つの声が交差する。「振り向くな」と一つの声。「ゆうじを助けて立ち上がれ」ともう一つの声。(読者に感謝)