人生意気に感ず「命の刻限が迫る。宗教戦争か。前橋積善会と楫取」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「命の刻限が迫る。宗教戦争か。前橋積善会と楫取」

◇72時間の起源は23日午後2時50分頃。世界中が注目する時が刻一刻と迫る。昨夜、地元の各種団体新年会でもこの事件が専ら話題になった。世論の縮図ともいえるこの会の雰囲気は「政府の身代金払い拒否」を支持していた。

 私は立って、昭和52年のテロに屈したハイジャック事件などを引き合いに出して話した。「イスラム国」は欧米の敵対勢力を十字軍と呼んでいる。長い歴史に根ざした宗教戦争が背景の一つになっている。十字軍は西欧キリスト教の聖地エルサレム奪回を目的としてローマ法王の提唱で11世紀末に始まった。

 7回に及ぶ遠征は約2世紀にわたった。キリスト教対イスラム教。宗教の違いは価値観、文化の違いを生む。世界は西欧の価値観優位で覆われつつあるが、イスラムの価値観はこれに対抗する。遠い背景に200年に及ぶ宗教戦争があることに今更のように驚く。

 キリスト教世界では政教分離による民主主義を成し遂げたが、イスラムの世界は政教一致を続けている。宗教は誤れば狂気を生む。その狂気が政治を指導する姿が「イスラム国」だ。息をのむ72時間。敵地に乗り込んで交渉する人物はいないのか。日本はイスラムの世界にも莫大な援助をしているのだからいろいろなチャンネルや人脈がある筈だ。今回の事件は新たな安全保障の備えの必要を訴えている。

◇先日、前橋積善会事務局を訪ねた。昨年、記念事業の一環として楫取素彦の講演を頼まれたが日程が合わず実現しなかった。前橋積善会の創立は明治13年に遡る。時の県令は楫取素彦で、楫取は事業の発展を支援した。

 楫取の妻・寿は熱心な浄土真宗の信者であり慈善事業に強い関心を持っていたから、楫取が慈善事業に力を貸すことは自然のことであったろう。当時、維新後の社会の混乱の中で生活に苦しむ人が多かった。それを救おうとした僧侶たちの善意の事業は100年以上経た今日も、発展しながら続いている。この会の人々に楫取の存在を再認識して欲しいと思う。

◇昨日、地元自治会・各種団体の新年会があった。私は引退を表明し長年お世話になったことを感謝し、バトンを30歳の青年萩原ゆうじに渡すことを説明した。ビールを飲み楽しく語らった。「良い後継者が出来てよかったですね」、「先生が腰を据えて酒を飲むのを初めてみました」このような声が聞けて嬉しかった。(読者に感謝)