人生意気に感ず「「幼児の深層心理。池田小事件の宅間守。同級生への弔辞」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「「幼児の深層心理。池田小事件の宅間守。同級生への弔辞」

◇日本人の心が崩れかけている。心を蝕む何かが起きているのだ。魔の手は未成熟な、あるいは歪んで育てられた心に襲いかかる。ユダヤ人、フロイトが深層心理を発見した。人間の心には意識できる表層と意識できない、つまり意識下の深層があり、この深層にあるものが人を衝き動かすというのだ。私は学生時代、宮城音弥の「心理学」の講義を聴いてそういうものかと驚いたが、今、若者の動機不明の犯罪を前に今更ながらこの深層心理の不気味さと深刻さを思う。幼児体験はその人の原点だ。ここで受けた虐待は幼児の心に取り返しのつかない種を落とすに違いない。今日、この虐待が余りに多い。新予算は対策費を盛り込んだか問いたい。県の新予算はこの点どうなのか問いたい。

◇文藝春秋の最新号で「少年犯罪の戦後史」を読んだ。この中で池田小無差別殺人犯で死刑となった宅間守の幼少期のことが挙げられている。これを読んで今日の社会には母に捨てられたり、義父に虐待されたりの哀れな幼児が多くいることを思った。この子たちの将来に何が待ち受けているのか。法は峻厳である。政府は児童相談所、保育所などに予算をつけるべきだ。アベノミクスはここまで光を当てなければ本物と言えないだろう。

◇宅間守の幼少期は悲しい物語といえる。3・4歳以前から父親は毎日壁が血だらけになる程母親を殴った。宅間も殴られた。母は宅間を生んだことを後悔する言葉を聞かせたという。3歳の時、三輪車で道の真ん中に居座り渋滞を引き起こすようなことをやった。10歳代後半になると、婦女暴行、器物損壊、高速道路逆送などを繰り返し、成人になると10数回逮捕されるまでになった。破れかぶれの人生の果ては、池田小での無差別殺人。37歳だった。死刑判決を受け既に処刑された。現代社会は無数の宅間予備軍をつくりだしている。広がる格差社会の底流に取り残されていく人々よ。

◇14日、宮城聖苑で同級生大崎丸見君の葬儀で弔辞を読んだ。昭和22年、新憲法下の国語の教科書は「おはなをかざる みんないいこ」の詩で始まった。シラミのついた衣服。裸足で通った小学校。村の公民館では「りんごの歌」が流されていた。多くの同級生が私の弔辞を聞いて様々な思いであの頃を振り返ったに違いない。俺たちの生きた道が戦後の原点だった。丸見君の死に際してその思いを深めた。(読者に感謝)

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。