人生意気に感ず「金正恩暗殺映画の波紋。長江の水を北京に」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「金正恩暗殺映画の波紋。長江の水を北京に」

◇金正恩暗殺のコメディ映画をめぐる動きは興味深い。俳優が演ずる太った正恩が暗殺されるストーリー。北朝鮮とすれば最大の侮辱。昔、チャップリンがヒトラーを風刺する映画を作った。チャップリンは独裁者ヒトラーが世界の民主主義を破壊することにコメディ映画で立ち向かった。映画の手段による攻撃は大砲や戦車よりもある意味で効果が大である。心に訴えて自国民を勇気づけ敵国民の戦意を挫くからだ。

 ソニーの映画も同様な構図に思える。北朝鮮は国を挙げて抵抗を始めた。全米の映画館はこれに屈して一時上映中止に出て、これをオバマ大統領が鋭く批判した。なぜ大統領が。それはアメリカを支える理念である民主主義が北朝鮮に屈することを意味するからである。表現の自由が脅迫・テロに敗けてよいのか。全米の映画館は一転して上映の方向だ。オバマは述べた。「人々は映画について自ら選択できるようになる」。観る観ないの選択の自由が守られることが表現の自由の保障に他ならない。FBIは、サイバー攻撃を北朝鮮の犯行と断定した。従って、今後、上映についてテロ行為があれば、それは北朝鮮の犯行と見られるだろう。だから北朝鮮は何も出来ないに違いない。ソニー側にはそのような冷静な読みがあったはず。映画の反響と効果が楽しみだ。北朝鮮の国民は直接には観られないだろうが、脱北者など多くの関係者が観て伝わるだろう。面白い企画を考えたものだ。

◇この映画は公開初日の25日、興業収入が100万ドル(約1億2千万円)を超える盛況ぶりだという。ユーチューブではベストセラーになった。北朝鮮政府のしょっぱい顔が想像できる。

◇中国の巨大な水路事業に驚く。北京へ1400キロ、長江流域の水を運ぶ事業だ。27日、水路から正式に送水が始まった。国家プロジェクト「南水北調」。南の水を北に調達する。約13年の歳月をかけた。

 巨大事業には約42万人の住民が立ち退きを強制された。日本では考えられない。揚子江をせき止めた三峡ダムでは100万人以上の住民が強大な権力の下で立ち退きを強いられた。中国の土木工事といえば万里の長城。レンガを焼く木のために砂漠が広がったと言われる。強行工事のために多くの人命が失われた。水路工事は現代の万里の長城と言えるかも。(読者に感謝)