人生意気に感ず「シベリアや強制抑留。スターリンへの感謝状。北方領土」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「シベリアや強制抑留。スターリンへの感謝状。北方領土」

昨日は満州を書いたが今日はシベリアだ。強制抑留は満州の出来事と同様に過酷だ。そして共にソ連の参戦がきっかけ。終戦となり多くの国民は日本へ帰るとき、逆に酷寒のシベリアへ送られた。約60万人が強制連行されて、酷寒、飢え、過重な労働で6万人以上がなくなった。

 私は平成十六年、かつて強制収容所を体験した塩原眞資さん、青柳由造さんを伴ってハバロフスクを訪ね、「望郷の叫び」を書いた。

 収容所の跡地には夏草がしげり、「友よ安らかに眠れ」と書いた墓標が立っていた。青柳さんは一心に経を読み、塩原さんは声をあげて泣いた。

 零下30度、作業場への道すがら、子どもが投げた食べ物を争うように拾って食べた。東へ飛ぶ鳥を見て狂おしい程古里を思った。初めての冬を耐えられずに多くの人がバタバタと倒れて死んだ。

私は、ハバロフスクの国立古文書館で入手したある文書のことを書きたい。女性館長エフドキーモヴァは、「日本人に渡すのは初めてです」と言って、34頁から成る「スターリン大元師への感謝状」のコピーを示した。私は、中村への持ち出し許可証明書とともに受け取った。

 日本人として持ち帰った者はないと言われる文書の中味は驚くべきものであった。スターリンを人類最大の天才、全世界勤労者の導きの星とたたえ、ソヴィエトの地でおくった4ヵ年の生活こそ私たちにとって偉大なる民主主義の学校となった。そしてそれは私たちにとって終生忘れ得ぬ感銘だと記している。一方で、日本を「強盗的日本帝国主義」、「極悪非道の極東の憲兵」と表現した。

 これこそ、自虐的、屈辱的な日本人の精神を現している。ソ連は日本人を洗脳しようとした。日本人は帰りたい一心で、頭の中の赤化を示すために争ってこの感謝状に署名した。私の金庫に眠るこの文書を読むたびにシベリア強制抑留の悲惨さを思う。北方領土と共にシベリア抑留は解決されていないのだ。抑留経験者の多くは90歳を超えた。風化させてはならない思いで、私は駒形のマチダ平和記念館の中にシベリアコーナーを作った。

ロシア軍が北方領土で軍事演習を開始した。日本政府は直ちに抗議した。戦後の処理でソ連は北海道の半分を求めたという。実現されたら大変であった。明日は終戦記念日である。(読者に感謝)