人生意気に感ず「福島の被災地の今。除染延長に怒る。甲状腺ガン59人」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「福島の被災地の今。除染延長に怒る。甲状腺ガン59人」

◇23日、早朝6時に出発して福島県に向った。東日本大震災後の復興状況と原発事故のその後の対策等を目で見、肌で感じることが目的であった。

 福島の海岸線を走ると、青い空と陽光の下にのどかな太平洋が遥かに広がって、あの時の逆まく怒涛が信じられないようであった。随所で堤防を築く工事が行われた。人家のない草原は除染が進まぬ状況を無言で訴えているように感じられた。

 2年9か月が経っても原発事故は終息していない。事故周辺では汚染水漏れの現実が連日報じられているが、原発から離れた地域でも除染が進まない事実をこの日感じとることが出来た。

◇福島第一原発を中心に避難区域になっている11市町村が広がる。これらの地域では国が直轄で除染事業を進めようとしているが予定通り進んでいない。当初本年迄の2年間で除染を完了する計画であったが達成出来たのは田村市都路地区だけ。達成の見込みも楢葉町、大熊町、川内村の3町村のみ。遅れの原因は、汚染土壌を保管する仮置場の確保が出来ないからだ。

 環境省は、遅れている6市町村につき最大3年間終了時期を延期する方針を固めた。これは避難住民の帰還に関わる問題である。これら市町村の首長は、「町民の帰還意識に影響する」、「除染なくして町の復旧はない」、「延長は納得できない」等怒りを現している。

◇私は、この日、農産物を庭先で売る農家に入りおばさんと親しく話す機会を得た。見知らぬ家に入り込み親しく話すのは私の特技である。女性の素朴な笑顔は東北の風土を現している。この人たちを早く救わねばと思った。東北の人たちは怒りをむき出して権利を主張することを好まない。東北でデモの話を余り聞かないのはそのせいだろう。政府はこういう地域の優しい人たちに甘えていないか。こういう地域を最大限優先させることこそ、今、日本の社会を守るために求められることではないか。この日、この感を深めた。

◇福島県の子ども59人に甲状腺がんやその疑いがみつかったことが問題になっている。福島県はこのことにつき、21日、専門家の意見交換会を開いた。原発事故の影響を否定する意見とそれを疑う指摘と両方あったらしい。59人は年間発生平均の数倍から数十倍という指摘も。被曝から5年後に出ると言われている。(読者に感謝)