人生意気に感ず「参院選無効。防空圏に自衛隊機。堤清二の死」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「参院選無効。防空圏に自衛隊機。堤清二の死」

◇参院選で違憲無効判決が出た。参院選で戦後初。7月の岡山選挙区。広島高裁の判決。国民は平等だからその一票の力は同じであることが理想である。それが地域によって差が生じ、7月の選挙では最大格差が4.77倍となっていた。これではかつての身分制社会ではないか。

 これまで最高裁は違憲状態を抜本的に解決することを求めていたが国会は怠った。参院無用論があるように参院は本来の役割を果たしていない。それなのに自ら改革して是正する努力を怠って違憲状態の上にあぐらをかいている。多くの選挙区で同じ問題を抱え年内に14高裁で判決が出る。敢えていえば無効の国会が国民の生命や生活に関わる法律を作っているようなものだ。無効が確定するのは最高裁であるが、高裁段階でも容易ならざる事態であることは間違いない。

◇中国が尖閣上空に防空識別圏を設けたと主張し、従わなければ武力も辞さずと威嚇した後、米軍のB52爆撃機が従来通りに飛行、今度は自衛隊機が飛行。いずれの場合も中国側の反応はなかった。

 日米安全保障上の重大問題だから、日米は可能な限りの情報に基づいて、連携を密にして行動しているに違いない。情報が漏れたら計画は失敗する。あらゆる情報は国民のものであるが、常に即座に開示できないことは今回のことが示している。特別秘密保護法案を考える生きた教材である。カーボンコピーと言われ、無効判決を突きつけられた参院はどこまでその使命を果たせるか。正念場だと思う。

◇堤清二さんが86歳で亡くなった。人は誰でも死ぬのだなあ、と改めて思った。西武グループの創始者で清二の父康次郎は伝説的な人物で、「ピストル堤」との異名をとる強因さで一代で西武を築いた。清二は東大在学中、左翼学生運動に入り父と対立する。異母弟の義明とは父の遺産を継いで対照的な人生を生きた。

 かつて米国の経済誌「フォーチュン」は日本の独裁的経営者10人を挙げその中に2人の兄弟を選んだ。そこで清二は「銀座の吟遊詩人」、義明は「封建領主」と表された。必ずしも的確ではないが清二の文学者の面、義明が途方もない土地を所有した面に注目したのだ。2人とも経済の面は失敗し、義明氏は悲惨な境遇となったが、清二氏の文化人としての人生は後世に名が残るであろう。人の人生は難しいものだと思った。(読者に感謝)