第21回 随筆「甦る楫取素彦」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

第21回 随筆「甦る楫取素彦」

  日本で最初の女性解放と位置づけられる「廃娼」は、日本の人権史上画期的なことでありました。湯浅治郎には人間平等のキリスト教思想があり、楫取素彦を支えたものには、吉田松陰と共に培ったと思われる身分形式にとらわれない人間観があったと信じます。二人の人間観が共鳴し合ったであろうことに新鮮な驚きを覚えます。また、廃娼運動には、時代の空気を大きく吸った上州の青年たちの議会外の大運動が政治家を動かした事実があったことにも注目されます。 湯浅治郎は、実業家でもありました。民間では日本で最初の図書館である「便覧社」をつくり、また、新島襄の同志社大学設立と運営を助けました。明治の初め、群馬の夜明けに際し、楫取素彦と湯浅治郎が上州群馬で出会ったことが不思議に思えます。 楫取素彦について人々に語るときいつも思うことがあります。それは、群馬における楫取を話すだけではその実態が伝わらないということです。楫取の根は幕末の長州にあるからです。例えば二度獄に入り死を覚悟したこともあると話すと人々が驚くのはこのことを示すと思います。史都萩の皆さんに楫取素彦及び関連する上州の歴史を私の素人の感覚で、お話出来れば望外の幸です。お許し願えれば時々投稿したいと思っております。 平成20年に萩市からナツミカンの苗木3本が寄贈されましたが、今年は、楫取素彦顕彰碑の傍らで見事な実をつけました。これを眺めると、萩の武家屋敷跡のナツミカンを思い出すと共に往時の志士たちの姿が偲ばれます。こ

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。