随筆『甦る楫取素彦』 第20回 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

随筆『甦る楫取素彦』 第20回

現在、幸にも、「読本」の読者は徐々に広がっています。一例として、先日、上野村の生徒45人から感想文が届けられました。多くの生徒は、楫取が道徳教育に力を入れたことに触れ、その重要性が分かったことを書いています。楫取の姿が子どもたちの胸に小さな根を下ろすことを思うと感激です。なお、上野村とは、昭和0年(1985)、史上最悪の航空機事故が生じた御巣鷹山の麓にあります。

 今回、「史都萩」を知り、「愛する会」に入会させていただきました。皆様との交流から学ぶことは大きいに違いないと期待致しております。

折りしも、今年、大河ドラマ「八重の桜」が始まりました。八重が嫁いだ新島襄は、幕末明治を熱く生き近代日本の文化に大きな足跡を残しました。特に郷土群馬の精神文化に与えた影響は少なくありません。吉田松陰は下田踏海で失敗し、結局悲運の運命に見舞われましたが、新島襄は、密出国に成功し、幸運にも恵まれ、アメリカでキリスト教徒として大きな成果を得て帰国しました。

 古里群馬の安中藩に帰り、新島襄が熱く語るアメリカの話に近隣の若者は大いに動かされました。その一人湯浅治郎は新島の感化でキリスト教徒となります。やがて県会に入り、第二代県会議長を務めました。ここで湯浅は、県令楫取と出会い、二人は力を合わせて、廃娼運動に取組み、日本で最初の廃娼県確立への道を開きました。

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。