人生意気に感ず「高校女子、ストーカー殺人。水銀条約と水俣病」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「高校女子、ストーカー殺人。水銀条約と水俣病」

◇欲望が渦巻く社会で自分を抑制できない個人。そんな社会の構図から悲惨な事件があとを絶たない。三鷹市で起きた高3女子ストーカー殺人事件はどこでも起こり得るケースだ。犯人はすぐ逮捕された。女子生徒は女優志望で成績もよい。交際を断られた恨みらしい。

 恋心が恨みに変わり何も見えなくなって犯罪に走る。今日の社会の身近な事件である。

 ストーカー規制法の改正法が今月3日に施行された。加害者への警告や禁止命令を出すのは従来被害者の住所地の警察署長等に限られていたが改正後は加害者の住所地やストーカー行為があった地を管轄する警察署長も出せるようになった。

 生徒の自宅は三鷹市、相談は杉並署に。そして、杉並署は「三鷹署に相談して」と答え、三鷹署にとりつながった。警察の対応の適不適が問われそうだ。

◇「水銀に関する水俣条約」が今日熊本市で採択される。水俣病は日本が通ってきた深刻な公害病である。熊本県水俣市の化学工場の廃液中の水銀が神経を侵す水俣病を引き起こした。日本にはこの病気に向き合ってきた技術がある。

 今、世界の発展途上国で同じ病気が大問題になっている。水銀が使われるのは金の精練である。又、石炭の排出によっても生じる。

 アマゾン川流域では金の採掘が盛んで大量の水銀が使われる。ブラジルでは日本の技術が学ばれているが、金に従事する労働者の多くは水銀の恐ろしさを知らないという。途上国の貧困と無知が問われる。

 石炭を燃やすと微量の水銀が大気中に出る。中国やインドは石炭火力発電が多い。中国の内陸を走ると至る所に発電所の太い煙突を見る。条約では、石炭火力発電所に最良な技術の導入が義務づけられる。日本が世界に貢献すべき分野である。

 排出された微量の水銀は水中の微生物、小魚へと食物連鎖をたどって上位の大型動物に蓄積される。クジラやマグロなどが指摘されている。デンマークのある島では、高濃度の水銀が蓄積されるクジラを食べたことが原因と考えられる体調の異変が子どもたちに出ている。又、中国東北部では、化学工場から出る排水の水銀で漁業に従事する住民に水銀中毒が発生しているといわれる。途上国のこれらの公害は政治の問題でもある。日本が通ってきた道だ。(読者に感謝)