『炎の山河』第五章 地獄の満州 第74回 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

『炎の山河』第五章 地獄の満州 第74回

そして、数両の装甲車が天安門を全力で駆け抜ける。学生たちのテントの群が踏み潰される。学生たちが建てた高い民主の女神像がごう音と共に倒される。突然、広場の照明灯が一斉に消えた。パンパン。暗闇の中で銃声が起こり、光が走る。逃げ惑う群集、絶叫。闇の中、天安門広場の惨劇が始まった。新聞は、信頼できる情報だとして、死者2千人、負傷者5千人と報じた。また、別の新聞は、死者5千人以上と報じている。

 天安門事件は何故起きたのか、学生たちの民主化要求運動とは何を目指していたものか。新聞もテレビも、学生や市民の動きを“民主化”を求める運動だと報じた。危険を冒してまで民主化を求めるのは、人々が民主的な権利を侵害されているからである。では、人々の民主的な権利を侵害しているものは何かというと、それは、共産党の一党独裁であった。

☆「炎の山河」は間もなく終わり、その後は、「甦る楫取素彦」を土・日に連載します。ご期待下さい。