人生意気に感ず「原発のその後のいわき。事故の予言。とちおとめの力」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「原発のその後のいわき。事故の予言。とちおとめの力」

◇福島県のいわき市、及び広野町の復興状況を視察した。広野町の海に向けて開けた一帯には津波の爪あとが生々しく残っていた。町役場の一画では東電に対する賠償手続に来て書類に取り組む人々の姿があった。3月の広野町議会では、義援金の配分状況、適正な除染の実施、汚染廃棄物の保管方法などが質疑された。

 また、町民の放射線に対する不安に対応するため保健所内にホールボディカウンターを設置し内部被曝検査の充実を図ることや甲状腺検査の定期的実施が行われていた。

 東日本大震災から2年余りが過ぎ、私たちの原発事故に対する関心は薄らいでいるが、東北各地ではまだまだ現実の被災下にある事の一端を肌で感じることが出来た。

◇いわき市では、汚染水漏れなどの事故が起きている中で、最近また地震が多発していることが大きな不安だと話す人がいた。

 また、私の知人は、子どもの日を振り返って、子どもたちが外で思いきり遊ばないことを指摘していた。この人は、私に、二十数年前に亡くなった吉田信氏の「重い歳月」という詩を紹介した。それは、暗示的で予言であったことを思わせる。「原発はいつの日か必ず人間に牙をむく、この猛獣を曇りない目で看視するのが私たちだ、この怪物を絶えず否定するところに私たちの存在理由がある。私たちがそれを怠ればいつか孫たちが問うだろう、「あなたたちの世代は何をしていたのですか」

◇原発事故は、私たちが看視を怠り「安全神話」にあぐらをかいた結果である。茂木経産省は、3日、福島第一原発事故を踏まえ、「安全神話」から決別する仕組みづくりを発表した。

 電力業界が中心となって原発の安全性を検証する組織である。原子力規制委員会が作る新たな安全基準に満足せず、安全性を絶えず高めることを目的とする。「基準を満たせばリスクはない」、この考えが「安全神話」なのだ。

◇いわき市下大越のイチゴを売る民家に寄った。座敷を走る二匹のブルが私の手をなめる。「いわきいちご、とちおとめ」は実に美味い。古い建物にとけ込んだ奥さん・木田テイ子さんの笑顔は昔のおとめを想像させる。放射能のことなど忘れて1500円の1箱を買った。壁の「八重の桜」のポスターが目に入ったので、群馬の新島襄のことを話し、「楫取素彦読本」を一冊差し上げた。おばさんは歴史が好きだという。困難に向かう会津の力の一端を感じる一時だった。

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