人生意気に感ず「女性大統領出現のドラマ。北朝鮮。獄中のネール」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「女性大統領出現のドラマ。北朝鮮。獄中のネール」

◇黒人大統領オバマの出現に次ぐ衝撃が韓国の女性大統領の誕生である。喜びに沸く韓国民は、「米国でも実現していない世界に誇るべきこと」と語る。アジアの民主主義の先頭に立つ日本も及ばぬ快挙だ。そして、韓国の民主主義が激しい流血を乗り越えて進んできた事を思う。槿惠(パククネ)氏の出自(しゅつじ)と歩みに小説よりも奇なるものを感じる。

 父母は暗殺された。父の朴正煕元大統領はクーデターによって政権を奪取した人物だがかつては日本軍の将校だった。朝鮮が日本の植民地だった頃、日本が創設した満州国の軍将校だったのである。

 朴正煕は現代韓国形成に最大の影響を及ぼした人物といわれる。18年の長期政権で韓国の近代化と奇跡と呼ばれる経済発展を成し遂げた。熱狂的なファンが多い一方で、人権弾圧を怒る激しい反対運動があった。娘は父の政争を見て育った。大統領である父を狙った凶弾で母が死に数年後に父は側近に射殺された。

 時を経て娘は国を救いたいと国会議員になった。議員として遊説中ほおを切られた事もあった。美貌に包まれた強い信念と高い志が伺える。韓国も格差の問題等を抱え危機にある。娘は再び国を救うために立ち上がった。

 「私には面倒を見る家族も、財産を譲る子どももいない。国民だけが私の家族であり、国民の幸福だけが政治をする理由だ」と遊説で訴えた槿惠は激しい選挙戦を制して韓国初の女性大統領となった。20日、父母の墓前に当選を報告する娘の姿が報じられた。

 私は、激動の韓国で熱いるつぼから時々現れる政治家に感動する。今回の女性大統領及び死刑判決や拉致殺害の危機を乗り越えた金大中元大統領もその例。日本の明治維新を思わせる。私たちが学ぶべき点は多い。

◇朝鮮半島の北と南を対比するときその真逆の姿に圧倒される。民主主義の理念を否定する世襲・独裁制の下で、国民を飢えさせて凶器を磨く北朝鮮の様はおとぎの国である。北は、今回の南の女性大統領誕生をどう見ているだろうか。

◇日本の生きる道は平和憲法を掲げ、文化と技術でアジアのリーダーになることだ。アメリカとの同盟を活かし、韓国と連携して中国の覇権主義に対抗せねばならない。かつて獄中のネールは娘に語った。少年時、ロシアを破った日本に感動したがその後日本は変わったと。歴史の教訓を活かし日本が再び飛躍する時だ。(読者に感謝)



☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河 地獄の満州」を連載しています。