『楫取素彦読本』第45回 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

『楫取素彦読本』第45回

十三、世界の動き・奴隷船マリア・ルース号事件

 このような群馬の動きの背景には、奴隷制度に関する壮大な世界史の潮流がありました。アフリカ大陸の黒人が新大陸に奴隷として運ばれるようになったのは、コロンブスが一四九二

年に新大陸を発見してから間もなくのことです。数百年続いた奴隷貿易が禁止され世界の奴

リンカーン大統領

隷制度も終わりをつげる時が来ました。アメリカのリンカーン大統領が有名な奴隷解放宣言を出したのは一八六三年のことでした。しかし隠れた奴隷売買はなお残り、明治の初め、横浜を舞台に、ペルー船籍の奴隷船マリア・ルース号
事件が起きました。

【解説】

○アメリカとその民主主義を象徴する大統領です。

南北戦争最大の激戦地で行なった演説の有名な言葉「人民の人民による、人民のための政府」は、日本国憲法の中にもしみ込んでいます。

奴隷解放宣言は一八六三年です。一八六五年に南北戦争は終わりましたが、この年暗殺されました。

新島襄は、密航でアメリカに向かう船の中で、南北戦争の終結とリンカーンの暗殺を知りました。日本では、この年、高杉晋作が挙兵します。

※土日祝日は中村紀雄著「楫取素彦読本」を連載しています。