人生意気に感ず「女性記者の死。アラブの春。世界遺産登録。楫取の講演」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「女性記者の死。アラブの春。世界遺産登録。楫取の講演」

◇シリアの激戦地でジャーナリストの山本美香さんが殺害された。話題にしたら「関係ない」と言う人がいた。果たしてどうなのか。

 シリアの内戦は独裁政権と民主化を求める反政府勢力の戦いである。山本さんは、反政府軍サイドに居て政府軍側から撃たれた。

 世界には独裁国がまだまだある。隣国には中国や北朝鮮がある。世界は一体化しているから一国の変化は直ちに他国に連動する。シリアの民主化運動は、「アラブの春」と呼ばれるアラブ世界の民主化運動の一環で、これはアフリカのチュニジアから始まりリビア、エジプトに及んだ。これらの国では独裁が民衆の力で倒れ、独裁者は悲惨な結末を迎えた。シリアの独裁者アサド大統領はそれをみているから必死だ。反政府勢力をテロとみなして徹底弾圧を行っている。女や子どもを含めた多くの市民が殺され大量の難民が出ている。死者は25千人を超え、難民は100万人規模に達した。国連は打つ手を見出せない。中国、ロシアがアサドを支援しているからだ。

◇アラブの春の動きをみて情報は世界を動かす力だと思う。しかし、その情報が何を伝えているかが問題だ。山本さんは、弱者の立場から悲惨な現実を命がけで取材した。政治は本来国民のものなのに、誤ると国民を殺す装置になることを弱い市民の現実でもって伝えようとした。私たちも、今日の民主政治を手にいれるために様々な苦しい歴史的過程を経た。民主主義の貴重さと、その抱える問題点を見つめねばならない。アラブの春はその資料である。

◇富岡製糸場と絹遺産群が世界遺産登録に確実に近づいた。政府は23日に推薦を正式決定する。日本ではここだけである。正式推薦書を来年1月ごろユネスコに提出。ユネスコの世界遺産登録は14年夏となる。

 現在暫定登録されている。群馬と同時期に暫定登録されたのは長崎県の「キリスト教関連遺産」。平成20年に視察したとき本登録に向けた長崎の懸命な取り組みとその遺産価値をみて群馬はかなわないと思ったが逆転した。この幸運を活かすには登録後の取り組みが大きな課題。

◇昨日、ある所で楫取素彦の講演をした。このところあちこちで依頼を受ける。楫取がどういう経歴の人でなぜ群馬に来たか、そして、教育と新産業で群馬の基礎を築いたこと、これらの話を人々は身を乗り出して聴く。昨日は、富岡製糸場と楫取の関連も話した。楫取は、今日の群馬の活性剤になると感じた。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、「楫取素彦読本」を連載しています。