人生意気に感ず「女子柔道松本と上野。原発事故告訴。67年前の原爆の夏」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「女子柔道松本と上野。原発事故告訴。67年前の原爆の夏」

◇柔道女子の松本薫(金)と上野順恵(銅)がいい。松本が試合に臨む形相は、荒ぶる魔神の如くであったが、目的を果たして破顔一笑する姿は一変、個性的な美人となっていた。

 上野順恵は柔道三姉妹の一人。姉は北京五輪の金メダリスト。上野の闘う姿は控え目で消極的に見えた。しかし、インタビューに応える様子には、内に秘めた闘志が現れている。とつとつとした話し振りから家族の団結とほのぼのとした愛情が伝わる。松本も上野も変化する日本の女性を象徴する姿に見えた。

◇柔道はまともに見ていられない。巨体の外人選手が強引に相手を寝技にからめ取る姿は獲物に襲い掛かる大蛇を思わせる。男子サッカーの対ホンジュラス戦。キーパーのボールにしがみつく背中が死んでも離さないという執念を語る。

◇原発事故の刑事責任を問う告訴・告発が受理された(1日)。被害者の申立が告訴、被害者以外の申立が告発。国会、政府、民間等の調査は全て東電や政府が打てる対策を怠ったと非難、特に国会事故調は「人災」であることは明らかと指摘していた。業務上過失致死傷容疑の申立は当然だと思う。さもなければ小さな犯罪は厳しく大きな犯罪は見逃されるという不公平感が広がり社会の正義が崩れる。

◇8月に入り終戦記念日が近づく。戦争を知らない人々が大半を占め、あの戦争が風化していく。15日の追悼式も年々参加者が減少する。私は、高校生等の組織的参加を呼びかけてきたが県は進めない。なぜか。

 炎暑が続くが67年前の夏の暑さはこの比ではない。7月16日、ニューメキシコの砂漠でアメリカは人類初の核実験を成功させる。これはポツダム会談中のトルーマン米大統領に報告される。7月26日対日無条件降伏を示すポツダム宣言が発せられるが、この日、早くも日本を射程内とする太平洋のテニヤン基地に原爆は運び込まれた。

 時の首相は、前橋市の桃井小を経て前中(現前高)で学んだ鈴木貫太郎。御前会議を巧みに導きポツダム宣言受諾を決定し、本土決戦を避け日本を救った総理である。8月6日、9日と原爆が投下された。爆心の熱は数百万度。人も鉄も溶かし大量の放射線を撒き散らした。原発の原点がここにある事に日本人は目をそらしてきた。前橋市の大空襲は8月5日。535人の死者を出した。今、これらを見詰める意義は極めて大きい。(読者に感謝)