人生意気に感ず「済州島を走る。消費増税法案で激震。死刑執行」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「済州島を走る。消費増税法案で激震。死刑執行」

◇31日、午前6時少し前、済州島の朝を約1時間走った。韓国は時差がない扱いであるが、実際は約1時間位の差がある。夜が明けると、ハングル文字があふれた街なみがあった。それはどこか他の宇宙にいるような異様な感じを与える。たまに、漢字を見つけるとホッとする。漢字には東アジアの歴史と人々の心を表す力があることを改めて感じた。

 朝食の粥を食べながら松井貞夫総領事から「済州について」レクチャーを受けた。韓国で初めて世界自然遺産に登録された「火山島と溶岩洞窟」、数万人の島民が虐殺された1948年4月3日の済州4・3事件、日本との深い関わりなどにつき学んだ。在日韓国・朝鮮人の約20%が済州出身者であること、農水産物90%の輸出先は日本であること等初めて知る。

◇帰国は31日深夜の予定だったが帰宅は1日の午前1時に近かった。秋田犬のナナが飛びついてきた私の顔をなめるのは外国から帰った時のいつもの歓迎振りだ。書斎の机には新聞が積まれ、いくつかの見出しは留守中の世の中の激しい変化を示す。

◇消費増税法案の修正案が閣議決定され、30日夕、国会に提出された。2014年4月に8%に、15年10月に10%に引き上げるが、「経済状況の好転」が条件となる。国民の生活に大きな影響を与えるのは必至。

 国会内に激震が走っている。国民新党の亀井静香代表は連立を離脱すると表明。民主党の輿石幹事長は党議拘束をかけ造反者は処分するという。法案の成立が政 界再編の引き金になるかも知れない。県政を揺さぶる要素にもなる。

◇1年8か月ぶりに3人の死刑が執行された。私は死刑制度に強い関心を持っている。裁判員制度が始まって、司法にも国民の常識が入ることになった。この制度の下で国民の前に立ちはだかる大きな課題が死刑である。

 死刑執行で絶対あってはならないのは冤罪である。取り返しがつかないからだ。最高裁で死刑が確定しながら再審で無罪となった事件が少なからずあるし、執行後に再審請求がなされているものもある(福岡の飯塚事件)。国民的な議論をすべきだが、法務省は、そのためのきっかけとなる省内の勉強会を打ち切った。

 執行には法相の署名が必要である。現法相の小川氏は「執行は法相の職責」と語り今回の事態となった。注目されるのは13人の執行を命じた鳩山邦夫氏。今回連立離脱を表明した亀井静香氏は死刑廃止論者として知られる。(読者に感謝)


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