人生意気に感ず「再審決定と司法の信頼性。全原発廃炉。米の検査」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「再審決定と司法の信頼性。全原発廃炉。米の検査」

◇また再審開始決定。当時中学3年の女子が殺害された事件の犯人として逮捕された前川彰司さん。逮捕から約25年。懲役7年の実刑が確定し服役した。出所後再審請求を続けてきた。

 私は再審決定のニュースを聞くたびに不思議に思う。三審制の下で審理を尽くして確定した判決が履えるのだ。再審は無罪とすべき新証拠が見つかったなど特別の場合に認められる。 

 再審開始決定を伝える報道写真には再審で無罪となった布川(ふかわ)事件の杉山さん桜井さんの姿もある。布川事件の2人は、強盗殺人罪で無期懲役が確定。29年を経て仮釈放され、その後再審で今年6月無期が認められた。同じく無期懲役で17年半も拘束された足利事件の菅家さんの例は記憶に生々しい。超精密なDNA鑑定で再審無罪となったのは昨年3月だ。

 戦後再審により無罪となった主な事件が7件あるが、そのうち免田事件、財田川事件、松山事件では死刑確定後に再審無罪となった。このような例を知ると冤罪で死刑が執行された者もいるのではないかと誰もが想像してしまう。

 実は、死刑執行後に再審請求がなされている事件がある。08年に執行された飯塚事件。この事件は菅家さんを有罪にしたかつての精度の低いDNA鑑定法の結果を有力な証拠として死刑判決を下したもの。死刑執行後の無罪判決が下れば大変なことになる。

 再審判決が続く状況で思うことは、司法手続きも人間がやる事だから誤りは避けられないという事だ。人権尊重の立場からは、ここで死刑制度に伴う矛盾に突き当たる。死刑制度の存続をめぐり、オウム事件は大きな曲がり角になるのではなかろうか。

◇放射性物質は西日本に迄及び今や日本中が放射線の影響下に入ったといえる。そして近づく巨大地震を考えると原発事故の恐怖は国民の間で漠然と増大している。このような状況下、直接の被災県福島の動きは重要な意味を持つ。

 今年10月福島県議会は県内全原発の廃炉を求める請願を採択し注目された。そして、11月30日、知事は全基廃炉を東電と国に求めることを表明した。

 福島県では伊達市など2地区のコメから基準値を超えるセシウムが検出されたが、知事は基準値以下の検出地・28市町村のコメを検査すると発表。群馬県の農政も今後に不安が募る。(読者に感謝)


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