人生意気に感ず「13人の死刑は何を訴えるか。海底にもホットスポット」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「13人の死刑は何を訴えるか。海底にもホットスポット」

◇前代未聞の特異な犯罪の幕が下りる。オウム真理教の犯罪で13人目の死刑が確定へ。21日最高裁の判決が下された。麻原の逮捕以来16年半。冨士山麓・上九一色村、サティアン、サリン、VXガスなど、今まで耳にした事のない言葉がおどろおどろしい事件の中で躍った。189人が起訴され、死刑13人、無期懲役5人、懲役20年3人、懲役15年3人等々。

◇この犯罪史に残る事件は、様々な問題を私たちに突きつけている。判決が下ったとはいえ、それらは未解決だ。人間はかくも簡単にマインドコントロールされて殺人鬼に変貌してしまうのかと思った。いくら洗脳されたとはいえ、坂本弁護士の幼児を絞め殺すなどよく出来たものと不思議に思う。

 教団を去ったある元幹部は、「派遣切りや引きこもりと、社会は事件当時より悪化している。若い人が捨て鉢になってカルトに居場所を見つけるかも知れない。我々が社会を発展させる段階で失ったものを取り戻す努力をしないと」考えさせられることだ。

◇間もなく年末を迎える。また、10大ニュースをやるだろうが、今年の第一は何と言っても東日本大震災。その中でも原発事故による放射線に関する問題だろう。

 放射線の総量は広島型原爆の20個分といわれる。そして、一番問題となっている放射性セシウムは半減期が30年だから私たちは、これから長くこのやっかいな怪物と付き合わねばならない。しかし、幼い子どもたち、これから生れてくる子どもたちにとっては放射線の影響は深刻なのだから、手をこまぬいているわけにはいかない。

 早急に打つべき手が2つあると思う。食の安全対策と除染である。これらは官民が協力して取り組むべきであるが、第一は行政の課題である。県と市町村自治体が連携して全力を尽くすべきだ。最近、食の安全につき、行政がやっと動き出した。

◇福島第一原発は海に面しているから、飛散した放射性物質の半分は素人考えでも海に入ったと思える。又、陸に積もったものも川に入って海に至るから海水の汚染は深刻ではなかろうか。海は広いから薄められるといわれるが、以前から放射性セシウムは海底に沈積し、海底に住むカレイやエイを汚染するといわれてきた。また食物連鎖で小魚を食べる大型魚の汚染も指摘される。海底にもホットスポットがあるらしい。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。