人生意気に感ず「TPPの前に。オリンパス。大王製紙」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「TPPの前に。オリンパス。大王製紙」

◇野田首相はTPP交渉参加の決意を固めているようだ。太平洋を囲む地域で関税を原則的に撤廃することでお互いの貿易拡大を図ろうとするもの。関税が0になれば、安い物品が入ってくる。関税によって守られている産業は大打撃を受ける。その典型が農業で、壊滅的影響を受けるとされる。

 本県農業への影響額を試算すると、農業産出額の減少は、780億円。例えば米は、農家が自家飯米や縁故米として利用する数量を除きすべてが安い外国産に置き換わると見る。

 今の日本の農業はTPPを別にしても危機に瀕している。高齢化、後継者難で耕作放棄地や遊休農地が限りなく広がっている現状がそれを物語る。農業政策の失敗の結果である。

 こんな状況下でTPPに参加すれば壊滅的打撃となるのは火を見るより明らか。TPP来襲は日本の農業にとって正に何百年に一度の津波である。津波対策が必要なように農業革命を断行すべきだ。国はTPP参加に耐え得 る農業改革の筋道を国民に示すことを先ずなすべきではないか。津波を前にただ騒いでいる。

◇オリンパスの損失隠しは、一企業の問題に止まらない。日本を代表するようなハイテクの企業が会計上の不正を犯した。世界の投資家が投資するか否かの判断材料は正しくなければならない。巨額の損失を隠したことは、会社の価値を実際より大きく表示した事を意味する。上場企業に関しては監査も厳しい筈なのに、承知しながら見逃したのか。株主総会で全株主を欺いた事になる。バブル崩壊後の時価会計制度導入に伴う窮余の偽装だから他の企業にも同様の問題があるかも知れない。世界の投資家は疑いの目で、他の日本企業を厳しく見るだろう。失われた信頼を取り戻すことは難しい。オリンパスの事件を機に世界の投資家が日本の企業に寄せる視線は巨大な津波のようなものだ。一難去って又一難、日本の国難は尽きない。

◇製紙大手の大王製紙前会長の子会社からの巨額借入事件も不可解だ。カジノに使うためのこの借金は106億を超える。特別背任容疑だ。上場企業なのに会社を私物化。それをチェックできなかった取締役会や監査役会。前会長は小学生時代から飛行機で東京の学習塾へ通い東大に入ったとか。創業者の祖父はボロ服、リアカーで古紙を集めていた人。金持ちは3代続かない。日本の今日の姿に似る。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。