人生意気に感ず「中国視察の第一報、中国経済の実態は」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「中国視察の第一報、中国経済の実態は」

◇日中議連訪中団の中国視察の第一日目。私は、午前4時前橋発の高速バスで出発。一行は、現地時間午前11時30分上海に着いた。中国第一の経済都市の偉容はかつての中国を知る者にとっては信じ難いものだ。人口2千2百万人。巨大都市を支えるエネルギーは何か、経済の発展はどこまで続くのか、政治制度と経済の食い違いはどうなるのか、現在進行中の民主化の嵐、「アラブの春」は中国の一党独裁にどのような影響を及ぼすのか。林立する摩天楼を私は好奇の目で眺めた。

◇この日のメインの調査は中国経済の動向。群馬銀行上海駐在員事務所首席代表三輪利夫氏の説明は現地経済の渦の中にあってその表裏を知る者としてはじめて語り得る大変示唆に富むものであった。

 最近は、日本から規模の小さな企業の中国進出が増えているという。これを聞いて円高で苦しむ日本国内の中小企業の姿が目に浮かんだ。しかし、中国の経済環境は、これら進出企業にとって厳しいという。例えば、インフレが進行しタクシー料金、ラーメンやブタ肉などの消費者物価が除々に上がり日本人駐在員の生活に影響が出始めている。

 インフレ抑制のため中国人民銀行は貸出し金利の利上げを実施している。基準金利は5.56%だが基準金利で借りられる企業はなく8.5%でないと借りられない。市中に出回る金の量が少なくなっているから、銀行は貸し渋り貸しはがしを行う。企業は運転資金を借りても、利益を上げないうちに厳しく回収を迫られ、現金の調達が出来ず夜逃げする企業が多くなっているというのだ。

 また、日本企業は安い賃金をあてにするが最低賃金が年に2倍になる程どんどん上昇している。さらに中国に於ける外国人の社会保険加入が本年9月から義務化された。中国駐在の日本人も医療、労災、失業等の保険に加入しなければならず日本企業にとっては大変な負担だ。中国進出企業はこれらの点も考慮しなければならなくなったという。

◇「アラブの春」の影響はどうかという質問が出た。天安門事件の頃と違って、現在はインターネット等により情報が瞬時に広まる。しかし直後にカットされるという。事故の新幹線車両が埋められたことも国民は直ぐ知った。ジャスミン革命やアラブの春も国民は知っている。経済が成長して豊かになっているから国民は騒がない。経済が悪くなった時、中国は大変だという見方が一般らしい。

 上海の夜はネオンで美しい。消費電力は膨大だ。ガイドに聞いたら上海も節電でやがてネオンは消えるという。11時過ぎカーテンの外を見たら本当にネオンが消えて黒い海が広がっている様子に驚いた。(読者に感謝)