人生意気に感ず「夜の10キロを走る。高濃度汚染帯の不安。甲状腺調査」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「夜の10キロを走る。高濃度汚染帯の不安。甲状腺調査」

◇昨日、10日は体育の日。テレビは大学駅伝を報じていた。11月3日の県民マラソンが近づいた。私は意を決して、夕方、例年の10キロコースを走った。敷島公園の外縁、利根川沿いの国体道路は、5時半が少し回ったばかりなのに早くも夕闇に包まれていた。

 本番をイメージしながら走る。いつも、スタート直後から激しい人の波に押し流されるように走る。当日、いつも前半が苦しいのは、この奔流に合わせるからだ。空には丸い月があった。利根の流れが白く揺れている。グリーンドームの黒い影、その前方には月光の下に県庁舎がそびえ立つ。マラソンは人生の過程に似る。日頃の小さな努力の積み重ねが成果をきめる。苦しい一歩一歩は自分との闘いだ。10キロを走り終えた達成感は格別。汗がにじんだ肌を夜風が心地よくなでた。今年は中国から帰った翌日がマラソン日。やるぞと心に叫んだ。

◇私のブログに市民の不安の声が多く寄せられている。県防災ヘリが測定した汚染マップに関するものだ。放射性セシウムの高濃度の汚染帯が群馬の北部に色濃く延びている。それは、1平方メートルあたり10万から30万ベクレルにのぼる。チェルノブイリ事故では3万7千ベクレル以上が汚染地域とされた。一方、これら県北部の高濃度汚染帯の放射線量は毎時0.5から1.0マイクロシーベルトだから問題ないと報道されている。

 ベクレルは放射線の強さを表す単位であり、シーベルトは健康に対する影響度を示す単位である。だからシーベルトに注目すればよいと言っても、一般の人は納得しない。30万ベクレルはなぜ大丈夫なのか分からないのだ。

 県農政部関係では一平方メートルあたり百万ベクレルは心配ないレベルと表明しているとか。行政は、高濃度汚染の帯につき県民の不安を解消するような平易な説明をすべきだ。

◇福島県では18歳以下の子ども36万人の甲状腺を調査する。放射性ヨウ素は甲状腺に集中する。とくに子どもの甲状腺が侵される。チェルノブイリ事故では約6千人の子どもが甲状腺ガンに罹った。被曝後4~5年で増え始まるという。先月の「ふるさと塾」では、旧ソ連の事故後の対応の遅れを紹介した。日本でも投与が可能であったにもかかわらず対応薬を与えなかった事実が報じられた。長野県では福島県から避難した子どもの甲状腺ホルモンの異常が発見されている。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。