人生意気に感ず「高濃度汚染帯は県北に。若い母の不安。脱原発を示せ」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「高濃度汚染帯は県北に。若い母の不安。脱原発を示せ」

◇県は文科省と協力して防災ヘリで放射性セシウムの蓄積量を測定した。高濃度の帯は福島県から栃木県を経て群馬の北部に伸びている。放射性物質を含んだ雲が風に乗って山地に沿って動き県北部を高濃度に汚染したのだ。場所によって、放射性セシウムの量は1平方m当り、10万から30万ベクレルに達した。 なお、チェルノブイリでは、3万7千ベクレル以上が「汚染地域」とされたことからして、本県北部の汚染度はかなりのものというべきだ。 ところで、ベクレルとは、放射能の強さを表す単位。放射能の発見者ベクレルの名に由来する。人体への影響度については、放射線量を表すシーベルトを使う。県北部の高い汚染地域の放射線量はといえば、毎時0.5ないし1.0マイクロシーベルト。これは人体に対して問題ない値とされる。ちなみに校庭で除染を行う目安は1マイクロシーベルト以上ということになっている。 ◇このようなデータを示されて多くの県民はよく分からないと言う。そして、分からないから不安にかられる。放射線は目に見えない。臭いもない。それにもかかわらず細胞内の遺伝子を傷つけ発がんの原因となる。 今や県民の不安は、体内に入った放射線に集中する。内部被曝である。これは「食の安全」の問題でもある。心配ないといわれる低線量の放射線を子どもが継続して浴びた場合どうなるのか、学者にもよく分からないという。 この不安の先にチェルノブイリがある。そこで多発する健康被害、奇形児の出産、そして発がん等の惨状。日本の若い母親が子どもの将来を考えて不安を募らせるのは当然だ。過度に心配するなというが、極度の政治不信が根底にあるのだから、そのように抑えようとすれば不安は更に増してしまう。 ◇放射線の汚染の環境を断ち切る手段は除染である。膨大な汚染土壌を管理する方法が示されない。被災地の汚染した瓦礫を本県が引き受けるには、県民の同意が得られそうにない。 ◇最大の関心事は、将来の原発政策の行方だ。原発に関する政治不信を断ち、国民に安心を与える唯一の手段は、脱原発の方向を明示する以外にない。 ◇知事選の祝勝会が反省会と銘打って行われた(3日)。知事は「本当に反省するのは私」と挨拶で述べた。待ったなしの激流を乗り切るために、知事は船長として最善を尽くすべきだ。(読者に感謝)


☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。