人生意気に感ず「護衛艦こんごうに入る。国の守りとは何か」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「護衛艦こんごうに入る。国の守りとは何か」

◇長崎の朝を走る(7日)。長いこと激しい雨の中にいたので晴天下の空気が心地いい。眼下に入り江の青い海面がしずかに広がる。緑に包まれたのどかな光景からは長崎の熱く激しい歴史を想像することは難しい。走りながら昨夜の事を思い出す。地元の有志が、幕末に全国の若者がここに集まったと語った。若者の代表が坂本龍馬だ。龍馬は海舟の従者として長崎に現れここに渦巻く世界の情勢を学んだ。昨日の出島資科館には、高杉晋作から上海のみやげとして贈られた龍馬の短銃の原寸大の絵があった。

◇軍港佐世保で護衛艦「こんごう」を視察した。7250t、161m、鉄の塊の偉容は一歩踏み入れた私たちを圧倒した。潜水艦対策・弾道弾対応のロケット(SM・3)など最先端の装備の数々は、テロや侵略の脅威の深刻さが現実的であることを訴える。

 96年に北朝鮮が日本上空を侵して弾道弾を放った時、日本にはなす術がなかった。SM・3は、北朝鮮のこの侵略行為に対応すべく「こんごう」に新たに装備された。こんごうはもう一つの国難を日本人に示す。

 我が委員会の課題として危機管理があるが、危機とは自然災害だけではない。東日本大震災を経験した私たちは信じられないような大災害が現実に起こることを知った。それは、外国の不当な侵略が有り得ないとたかを括ることの愚かさを厳しく戒める。特に福島第一原発の事故の恐怖を知らされた今、日本各地の原発がロケット攻撃を受けた時の惨状を容易に想像することが出来る。私たちは、今や巨大地震や巨大津波と外国の武力侵略を同レベルの問題として捉えねばならない。「こんごう」の中の迷路のような通路の中で、私は、このことを痛感した。

 原発事故は一度起きれば、放射性物質は県境を越えて全国に飛散する。だから、遠くの他県にある原発へのテロ攻撃は群馬の問題でもある。平和ぼけといわれる日本人は、東日本大震災によって国を守ることの意味を突きつけられた。私たちは、その意味の深さと広がりを認識しなければならない。

◇「こんごう」の中で、海上自衛隊が東日本大震災で活躍した事実の説明を受けた。巨大津波はあらゆる物を海に引き込んだ。海中の捜索、物資の海上輸送など海自の持てる力が総動員された。潜りの専門家の活躍、離島救援、艦内に保護された人々の安堵の笑顔等がスクリーンに。国の守りを考える貴重な機会だった。(読者に感謝)