人生意気に感ず「放射性物質飛散の筋道。柔道、放射線必修対策」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「放射性物質飛散の筋道。柔道、放射線必修対策」

◇放射性物質が原子炉から漏れ出す筋道を多くの人から聞かれ私の考えを説明した。地震のゆれを検知して原子炉は自動的に停止する。つまり、ウラン燃料の核分裂は止まる。しかし、重要な点は、核分裂停止後も「燃料棒」から高温の「熱」の発生が続くことだ。それは、停止前の核分裂で生じた放射性物質が出す熱で崩壊熱という。燃料棒は水中にある。水の役目は燃料棒を冷やすこと。停電で冷却水が補われないと崩壊熱により冷却水は蒸発し、燃料棒が水の上に露出し、数分で燃料棒は2,000度C以上になる。すると、燃料棒を覆う管が溶けて大量の放射性物質(ヨウ素やセシウム)が燃料棒の管を納めた圧力容器内にもれる。圧力容器内には事故後の化学反応により水素が発生する。水素は最も爆発しやすい気体。この水素が漏れて爆発し大量の放射性物質が飛散した。事故のスタートは、停電で冷却水がストップしたこと。非常用のジイゼル電源まで津波で水没。この電源を地下の同じフロアに設置したのが大ミス。皆で原発事故の根本を学ぼう。

◇私は現在 、群馬県柔道連盟の顧問。昔、柔道少年だった頃、町道場でおちた経験をもつ。「おちる」とは首を絞められて気絶すること。上の方で人の声がする。何か良い気持ちだった。この我に返る瞬間のことを良く覚えている。「締め」は禁じられていたことだったが、柔道には危険が伴う。あるデータによれば、過去27年間で、学校の柔道中亡くなった生徒は110人という。学校の武道で柔道の事故が最も多い。来年度から中学で武道が必修科目となる。安全対策は大丈夫なのか。先日、ある柔道家と話したときしきりに心配していた。県柔道連盟には人材が豊富である。県教育委員会は連盟と連携すれば有効な対策を立てることが出来る。残された時間は少ない。計画を前進させるべきだ。

◇来年度から始まる教育界の変化の一つは、中学で放射線が授業で取り上げられることだ。文科省のこの方針は福島第一原発の事故を予想せずにたてられたが、図らずも放射線パニックと符節を合わせて実施されることになる。学校の授業の意義は大きい。成否は先生の力量にかかる。先生の研修に兼の県研究機関を活用すべきだ。県立県民健康科学大学は、県内唯一放射学科を持つ。人材は0Bを含め豊富だろう。その他の大学でも活用出来る人的資源は多いのではないか。研修体制を早く本格化させて欲しい。(読者に感謝)


☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。