人生意気に感ず「両県にまたがる未解決事件。粗にして卑なる政治家」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「両県にまたがる未解決事件。粗にして卑なる政治家」

◇栃木と群馬両県にまたがるわずか20キロ圏内で起きた5件の幼女殺害失踪事件に関して「足利・太田連続未解決事件家族会」が最近結成された。これらのうちの2件・大沢朋子ちゃん(当時8歳)と横山ゆかりちゃん(同4歳)の事件は群馬で起き、横山ゆかりちゃん事件だけは時効が完成していない。菅家さんが再審無罪となった足利事件は、松田真実ちゃん(同4歳)に関するもの。これら一連の事件については同一犯の疑いがあり、真犯人は漫画の主人公ルパン3世に似た人物だと主張する民間人の執拗なそして執念の追及が注目されている。

◇群馬県議会でこの問題を取り上げるのは当然のことだ。私は昨年の11月議会で質問した。切り口は、「犯罪予防で大切なことは重要事件を未解決のままにしないこと」だった。そして、私は、横山ゆかりちゃん事件の犯人は栃木の人かもしれない、群馬県警は栃木県警と協力して捜査すべきだと主張した。

 県警本部長の答弁は歯切れの悪いものだった。そこには前代未聞の大事件に対する警察の苦渋の色がにじんでいるようであった。菅家さんは訴える。「真犯人が捕まらなければ私は一生グレーのままで白とは思ってもらえない。無実の私が刑務所行きで真犯人は逃げ得ですか、このままでは終われません」と。菅家さんの訴えに足利市長は、「未解決事件に対し不安を訴える市民は多い、警察当局の尽力を期待したい」と答弁した。 今年の文藝春秋2月号では、足利市長の答弁と関連させて、「群馬県議会でも県警本部長が足利事件と横山ゆかりちゃん事件との関連を問われている。市民の感覚ならば当然のことだろう」と書いている。私の発言を指していると思われる。

 同一犯ではないかという事は国会でも取り上げられ、最高検察庁も、同一犯の可能性を認める状況にある。今回の「家族会」発足の背景にはこのような大きな社会状況の変化がある。そこで、群馬県警には改めて、栃木県警と協力して一連の未解決事件の解決に取り組んで欲しいと思う。

◇松本復興相はわずか9日で辞任した。被災地の知事室で の態度はあきれるものだった。漁業権の問題について、地元のコンセンサスをつけろ、さもないと何もしないぞと命令調で発言。「粗にして野だが卑ではない」と辞任の弁の中でかつての石田国鉄総裁の言を引いていたが、「卑」そのものではないか。こういう人物を任命した総理の責任こそ重大である。(読者に感謝)


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