人生意気に感ず「内部被曝の恐怖。地球最強の生物の謎」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「内部被曝の恐怖。地球最強の生物の謎」

◇このところ「内部被曝」ということが大きな問題となっている。福島県民の健康に関してこの内部被曝の調査が始まった。福島第一原発の事故によってヨウ素、セシウム、ストロンチウムなどの多量の放射性物質がまき散らされ、それから危険な放射線が出ているからだ。

 体の外から放射線を浴びるのが外部被曝であり、汚染された水や食べ物と共に体内に入った放射性物質が出す放射線によるものが内部被曝である。体内に入るのだからこちらの方が重大だろう。

 内部被曝についてはまだ良く分かっていないのが実情らしい。放射性物質が長い間体内の臓器に蓄積されると考えると無気味だ。5月23日のブログで、私は長崎大学の内部被曝の研究に触れた。それは、65年前、原爆で死んだ人の細胞内に残った放射性物質(プルトニウム)から今なお放射線が出ていることが判明したというもの。プルトニウムの半減期は24千年というから恐ろしい。このプルトニウムが福島第一原発の敷地外の土壌からも検出されている。なお、今回の健康調査の対象はヨウ素とセシウムだけである。

◇放射線の健康への影響を探る研究が大学などで盛んになっている。原発事故がこの動きを加速させている。内部被曝の事も詳しくわかるだろうが、分かってからでは遅い。

 実験材料として注目されているのがクマムシである。「地球最強の生物」といわれるのは、空気や水がなくても生きることが出来、高い放射線耐性を持つからだ。1ミリ位で脚が8本、奇怪な姿をした謎の生き物である。

 ヨーロッパの科学者が07年乾眠状態のクマムシを人工衛星にのせ宇宙空間に10日間直接さらす実験をした。極端な昼夜の温度差、真空の宇宙空間、そして強力な放射線がそそぐ状況下である。地上に戻して水分をかけるともぞもぞと生き返った。これは、宇宙空間でも生き延びられることを実証した初めての動物例となった。宇宙空間ではけた違いに強力な放射線が降り注ぐ。クマムシは、放射線でDNAが傷ついてもすばやく修復する能力をもつという。世界中の科学者がこの点に注目している。東大の学者等はクマムシのゲノム(遺伝子情報)を解読し、現在、放射線により傷ついたDNAの修復に関わる仕組みの解明に取り組んでいる。この研究により、放射線対策やがん治療のための大きな手がかりが得られると期待される。下等で単純な動物が私たちがこの宇宙で生き延びるための神秘な力をもつ。不思議なことだ。全ての生き物に存在価値があることを示す。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。