人生意気に感ず「瓦礫の山から憲法を考える。節電と日本人の心」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「瓦礫の山から憲法を考える。節電と日本人の心」

◇先日24日の夕方、宮城県多賀城市の一角に立った時、息を呑んだ。見渡す限り瓦礫の原が広がっている。壊れた生活用品が敷きつめられたように散乱している。この光景は、命が助かった人も全ての生活手段を失ったことを示している。そして、国や自治体は人々の生活をどう守るのかということを問いかけていた。 ◇明日は憲法記念日。戦後、瓦礫の中から立ち上がる日本人を支えた日本国憲法が施行された日である。憲法の目的は一口で言えば、国民の生命、財産、幸福を守ることだ。平穏な時は憲法を意識しないが、極限に立たされた時、その意義と役割を考える。 憲法25条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定め、国民の生存権を保障する。全ての財産を失い避難生活をする人々を救うため、国や自治体は、全力を尽くさねばならない。また政治家はその先頭に立って使命を果たさねばならない。 ◇全ての政策の基礎には憲法の理念があるが、県議会で憲法を語る人がほとんどないことは淋しい。多くの人は、議員も、公務員も、憲法を遠い存在と考えている。その背景には、学校で憲法をしっかりと教えないことがあるかも知れない。憲法記念日と未曾有の災害が重なった今こそ、憲法をしっかり考える時だ。 ◇夏が近づくに際し、日本中が節電に向けて動き出した。庁舎の照明、エレベーター、クールビズ、グリーンカーテンなどに節電の工夫が求められている。チリも積もれば山となる。小さな効果を重視することが重要だ。 このような運動が官公庁に限らず、国民一般に広がればその効果は絶大だろう。そのためには、節電のコンセンサスが思想的なレベルに高まることが理想だ。例えば、「もったいない」という考え。亡くなった私の母の頭には、これが染みついていた。今にして思えば、「もったいない」は日本人の美徳の1つである。日本人は、物の豊かさに溺れてこれを忘れてしまった。物を大切にしないことは、人の命を軽視することにつながる。大量に消費して大量に捨てることが環境破壊の一因にもなってきた。大災害は、私たちに節電の必要性を突きつけることによって「もったいない」を教えようとしている。昨日は、県柔連の総会で、日本の再建には日本人の心を再建することが大切だと挨拶したら同感する人が多かった。(読者に感謝)


☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。