人生意気に感ず「エジプトのデモの行方。天安門事件。新型インフル」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「エジプトのデモの行方。天安門事件。新型インフル」

◇現在進行中の最大の歴史的事件はエジプトの大衆デモである。一つの独裁政権が民主主義を求める大衆の波に呑み込まれるかの如く消えようとしている。民衆は一斉に、「ムバラク去れ」と叫ぶ。失脚した独裁者の未路は哀れだ。広場の周辺には、いかめしい戦車を配置した軍の光景がみられる。巨大な銃口は民衆に向かって火を吹くことがあるのか。世界は固唾を呑んで見守っている。

 大波がうねるような民衆の姿を見て思い出すのは、1989年(平成元年)の天安門事件である。民主化を求める学生の渦はふくれ上がり、それに一般市民が加わって、デモの数は遂に百万人規模に達した。6月4日未明、戦車と装甲車は、遂に天安門広場に突入した。突然、天安門広場の照明が一斉に消え、暗闇の中で銃声が起こり光が走った。逃げ惑う群集の絶叫が聞こえた。ある新聞は死者五千人以上と報じた。テレビで報じられる映画のシーンのような信じ難い光景に全世界の目が釘付けになった。この天安門事件について私は拙著「炎の山河」の中で書いた。

 今回ノーベル平和賞を得た劉暁波はこの時以来の中国民主化運動のリーダーである。中国は急速に世界の経済大国になり人々は物の豊かさを享受しつつあるが、人間にとって一番大切な自由を手に入れていない。

 人権という精神的自由だ。私たちにとって空気のような存在になっている物を言う自由や政治を批判し参加する自由だ。私たちは、天安門事件、エジプトのデモを見て、民主主義の有難さを再確認すべきである。

◇インフルエンザが爆発的に広がっている。多くは「新型」である。一昨年から昨年にかけて、全世界がパニックに陥ったことを人々はすっかり忘れてしまったかのようだ。弱毒性で被害が予想外に少なかった事もある。特に日本はそうだった。それでも、昨年3月の時点で全国で197名、群馬では3名の死者が出た。一休みした後の「新型」の襲来は決して侮れない。

 間もなく始まる県議会では、新型インフルエンザ対策費として1億7千万円余の予算を組もうとしている。私がかねてから議会で警鐘ならしているのは鳥インフルエンザ由来の「新型」であった。現在、宮崎県を中心に広がる鳥インフルエンザの勢いは、この「新型」が近いているかのような不気味さを感じさせる。(読者に感謝)


☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。