人生フル回転「死刑か無罪か。中国全体が監獄。自殺と第三者委」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生フル回転「死刑か無罪か。中国全体が監獄。自殺と第三者委」

◇「そんなことってあるんですか」私の事務所の香織さんが言った。死刑が求刑されていたのに無罪が言い渡された事に対する驚きの声なのだ。このように思う人は多かったに違いない。

 老夫婦を殺した強盗殺人容疑に対して検察は71歳の被告に死刑を求め、鹿児島地裁は無罪の判決を下した、死刑求刑の裁判員裁判では初めてという事で注目を集めている。

 被告は否認し直接の証拠はなかった。網戸に付いた細胞片のDNA型とタンスの指紋は被告のものと一致しても、それでは証拠として不十分というのだ。「疑わしきは被告人に有利に」という刑事訴訟の大原則からこういう判決になった。

 裁判員選任から40日目の判決。異例の長さだ。裁判員の心の負担は大変だったで

あろう。裁判員裁判で死刑が求刑されたのは今回を含め5件。うち3件は死刑で1件は無期懲役だった。地裁前は傍聴券を求めて1278人が並んだ。しかし、90の傍聴席は報道陣で埋まった。不思議な現象である。

◇「広い中国をまとめるには、皇帝が必要なのです」私の友人の中国人のKさんは言った。一党独裁は必要だというのだ。ノーベル平和賞に出席させないために国内で隔離されたり、行動を制限されたりしている活動家は数百人に上り、在米の活動家楊氏は、「中国自体が大きな監獄になった」と表現し、「劉氏の受賞で中国の民主化運動は国際的な承認を受けた」と語った。天安門以来の民主化運動にとって、ノーベル平和賞は絶大なる援軍に違いない。中国政府の強硬姿勢はそれを雄弁に物語っている。

◇上村明子さんの自殺は、今年の本県の重大ニュースの一つである。今開催中の議会でも大きく取り上げられ、私も質問した。行政の対応は遅い。明子さんの死は10月23日だから早くも50日が経過する。この間、いじめの存在を認めるのも時間がかかったが、いじめと死との因果関係に至っては、まだ不明の状態が続いている。明子さんの両親にとって耐え難い毎日であろう。

 このような中、桐生市は8日、「因果関係」を調査する第一回の第三者委員会を開いた。

新井博弁護士が委員長となった事以外は非公開である。この問題は訴訟に発展する可能性がある。世論は急速に冷めているが、再発防止の真の議論はこれからである。「第三者委員会」をガス抜きの装置としてはならない。(読者に感謝)


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