人生フル回転「中国高層ビル火災。はやぶさの果てしない夢を教材に」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生フル回転「中国高層ビル火災。はやぶさの果てしない夢を教材に」

◇建設業協会役員、県会議員、県土木事務所が一堂に会して懇談会並びに懇親会を行った(17日)。「コンクリートから人へ」という風潮の中で公共事業の量が減り、不況が重なって、倒産に追い込まれる建設会社は多い。懇談により、この業界が抱える深刻な問題と業界の重要な社会的役割を学んだ。

 懇親会に移り、建築技術の質と工事の安全性が話題になり、隣席のある社長は、中国の建築現場の大参事に触れ、日本ではあり得ないことだと語った。

 15日、上海の28階の高層住宅で火災が発生し53人が死んだ。上海では、中共建国以来最悪の事故という声が聞かれる。無資格の溶接工事人による火災が原因で工事用の足場伝いに火は上層に燃え広がった。ビルを包んで駆け登る赤い炎と逃げ惑う人々。私は米映画タワーリングインフェルノを直ぐ想像した。

 中国で目を見張る光景は天を突くような高層ビルの建設現場である。林立する鉄骨には粗末な木や竹の足場が巨木にからまる蔓草のように付いている。建築基準は、そして災害発生時の安全対策はといつも気になっていた。

 人権が尊重されない中国社会の危ない一面を象徴するビル火災である。人権、人間の尊重は土木工事の基礎にもなっている。日本の「森ビル」が中国で高層ビル建設を進めていると聞いた。日本の技術と安全性が存在感を高めるに違いない。

◇IHI富岡事業所が「はやぶさ」の成果に沸いている。来年3月には富岡市に実物のカプセルが来る。開発事業に携わった森田さんは、カプセルを見た小中学生が技術者を目指してくれれば嬉しいと語る。県教育界は、森田さんの投げたボールを真剣に受け止めるべきだ。

 太陽系の中を回るイトカワのような小惑星は、40数億年前の地球などを作った物質の名残だといわれる。かつて、無数の小惑星が万有引力で引き合って合体して大惑星・地球などが出来たからだ。

 地球では溶けてしまった物質も火山活動がない小惑星では残っているから、太陽系が生まれた当時のことが分かる。小惑星は、宇宙の化石であり、太陽系の成り立ちを解明する手がかりだ。これまでは小惑星の物質を手に入れる手段がなかったが、日本の技術がそれを可能にした。

 世界は宇宙時代に突入し、各国は宇宙技術を競っている。はやぶさの快挙は、サッカーワールドカップ優勝の比ではない。

「はやぶさ2」の計画も動き始めた。それは、炭素を多く含む別の小惑星からのサンプル採取を狙う。炭素は、全ての生命体の中心となっている元素。宇宙の生命の起源を探ることにもなる。理科離れが深刻の時、こんな宇宙の夢を理解の教材に使うべきだ。またとないチャンスであ。(読者に感謝)