人生フル回転「白根開善学校の危機。質問者なしの村議会とは」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生フル回転「白根開善学校の危機。質問者なしの村議会とは」

◇白根開善学校の理事会に出た(18日)。会場は高崎の駅ビルである。創立の歴史は、厳しい自然環境、資金難、スタート直後の入学金返還訴訟等を振り返れば正に一大ドラマだった。

 この学校の特色を現す行事として恒例の百キロ競歩がある。24時間かけて行程を歩き通す姿は苦難の人生に似ている。私は、息子と共に参加して、限界に挑む苦しさと充実感を味わった。拙著・「遙かなる白根」に詳しく書いた。

 創立者・本吉修二氏の教育に寄せる夢と情熱と執念でスタートした開善学校は、今、本吉氏の病状と共に危機にある。

 私は、理事会で敢えて発言した。「この学校の存在意義は、むしろ大きくなっている最大の課題は学力を伸ばせないことだ」と。数年前、山の学校へ登って、講演したことがあるがその時、多くの生徒は床に寝そべっていた。授業の光景がうかがえる気がした。この学校は進学校ではない。知識の量ではなく、その質が問題なのだ。学力の本質を生きる力に求める時、これ程条件に恵まれた環境はない。「山の学校の体験がなければ今日の自分はない」と胸を張る立派な卒業生が多いことも知っている。全ての卒業生に、白根で学んだ誇りを持たせたいというのが私の発言の狙いだった。

 来年1月23日に予定されている父母会・後援会共催の「開善セミナー」では、私が講演することになっている。県議選の直前で極めて忙しい時であるが引き受けることにした。本吉氏の松明(たいまつ)を力を合わせて守り抜くことを訴えたいと思う。

◇「地方議会はこれでよいのか、情けないことだ」南牧村村議会で、3定例会連続で一般質問する議員がいないという報道に接し、私は、こう思った。

 議長は、「各委員会でしっかり話し合っている証拠。演技的に質問する必要はない」と説明したといわれる。

 この発言には、基本的な2つの論点が含まれている。まず、第一は、委員会と本会議は異なる役割をもつから、「委員会でしっかり話し合う」のは当然であり、本会議の質問が不要ということにはならない。本会議は委員会と異なり有権者に対して開かれた場所である。議会の質問によって有権者は政治に対する判断材料を得る。質問は民主主義を支える柱なのだ。

 第二は、演技的に質問する必要はないという点。「演技的でなく真剣にやれ」と、中学生でも直ちに反論するに違いない。地方の時代の議会の役割を真剣に考えねばならない。(読者に感謝)


☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています