人生フル回転「世界の土地争奪。ギアリンクス。耕作放棄地」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生フル回転「世界の土地争奪。ギアリンクス。耕作放棄地」


◇最近の異常気象はただごとではない。地球的規模で年々深刻化している。異常気象が農業に影響を与えることは必然である。歴史的な大洪水に見舞われたパキスタンでは、農業に壊滅的被害が生じた。北朝鮮も洪水により広い農地が冠水し大きな被害が出たといわれる。のべ2億人が被災したとされる中国の農業被害はケタ外れに大きなものだろう。

 中国は、このような状況下で、アフリカと農業分野での連携強化を進めている。未開の農地に積極的に乗り出そうとしているのだ。

 また、スーダンなどから計約200万ヘクタールの農地を借りるなど、アフリカでの農地確保を進めている。

◇世界的な食糧事情の不安定な状況下で、自給率が40%以下の日本農業に危機感を抱く人は以外に少ない。

 そこで、「ギアリンクス」を紹介したいと思う。

 平成17年8月、アルゼンチンの群馬県人会二十五周年記念式典に私は議長として出席した。その時、私の隣りに座った飯田領事は、岐阜県は「ギアリンクス」という法人を立ち上げて1256ヘクタールの土地を購入したことを語った。

 領事の説明によれば、岐阜県の「ギ」、アルゼンチンの「ア」、そして、この2つを結ぶ、つまり、リンクさせるという意味で「ギアリンクス」と命名した、将来の食糧難等に備えていることであった。

 また、領事は、最近、土地の価格が上がっている、それは、中国が将来の食糧難に備えてブラジルとアルゼンチンで土地を買っているからだと語った。私は、これを聞いて事態はそこまで進んでいるのかと驚いたのであった。

 ㈱ギアリンクスは、平成12年12月に設立された。民間企業ではあるが、高い公共性を掲げ、平常時は安全食品の開発を、そして、緊急時には全力を傾けて食糧の増産と調達を行うことを使命としている。日本の食糧確保の一翼となるべく活動している。大豆を主な耕作物としており、大豆は国際作物で必ず売れるから損はないという。

◇海外にこのような、農産物の拠点を設けることも重要なことであるが、私は、国内の可能性を先ず活かすべきだと考える。その一つは膨大な耕作放棄地を甦らせることだ。

 赤城の南麓の私が住む地域では、広い耕作放棄地が広がり、もったいない事だといつも思う。これを何とかしなければと、私は仲間と研究している。所有者が遠く離れて連絡が難しい場合もある。農業の再生は、国民が生き抜くための最大の課題である。(読者に感謝)


☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。