大会名:2020全日本マウンテンバイク選手権大会
日時:2020年12月5日(土)
場所:千葉県千葉市千葉公園 特設コース
天候:雨
気温:9℃
種目:XCE(クロスカントリーエリミネーター)
クラス:Men Elite 
結果:優勝



(photo by Makoto Ayano)

第33回全日本マウンテンバイク選手権XCE競技で優勝し、
2年ぶり2度目のナショナルチャンピオンのタイトルを獲得する事ができたことができた。

〜主な仕様機材〜
バイク:MERIDA Big Nine Lsize
フォーク:Rockshocks REBA boost(重力技研スペシャル)90psi 
ホイール:重力技研手組み
タイヤ:
ステム:THOMSON ELITE X4 STEM 10°×90mm
ハンドル:THOMSON CARBON FLATBAR 730mm
シートポスト:THOMSON ELITE SEAT POST
ブレーキパッド:VESRAH DownHill
チェーンリング:RIDEA MTB POWER RING 
楕円36T W2 ナローワイド/ダイレクトマウント
シューズ:NORTHWAVE GHOST PRO
アイウェア:SALICE 020 

アップ用ローラー台:FEEDBACK SPORTS PORTABLE BIKE TRAINER
ボディケアサポート:アキュパワーはりきゅう院
トレーニングサポート:Wingate Training Center

メカニックサポート:重力技研 GRAVITY-LAB


〜開催場所〜


今回のMTB全日本選手権大会の開催場所は千葉県千葉市千葉公園。都内からもアクセス良好でJR千葉駅から徒歩10分ほどの都市部の真ん中にある公園に特設コースが作られた。過去国内のXCE公式戦では富士見パノラマ(長野)、岩神緑地(前橋)、オフロードヴィレッジ(川越)、田沢湖スキー場(田沢湖)で行われていたが、今年は『Urban MTB Festival in 千葉公園』とイベントと同時開催され、都市部で開催された初のコンペティション大会となった。


(Google Map)

〜全日本にかける想い〜


自転車競技大会における全日本選手権大会、それは年に一度しかない『日本一』の称号をかけた闘い。2018年にXCE初代全日本チャンピオンを獲得し、二連覇をかけて挑んだ20197月の全日本田沢湖大会。Big Finalまで順調に勝ち残り、気合い十分でホールショットを決めたが第二コーナーで転倒し結果4位となった。悔しくて不甲斐なくて1人で泣きじゃくって落ち込みまくっていた。燃え尽きてしばらく気持ちの整理もつかず2ヶ月ほど自転車競技のことを考えるのを辞めていた時期もあった。


だけど、、、


負けたのに、勝ったとき以上に自分に言葉を送ってくれた人がたくさんいた。このままじゃ終われない、終わりたくない。


2017年にはじめてエリミネーター世界選手権に代表として走らせていただいてから、何度か世界の強豪選手達に挑んできた。2019年には単独で渡仏しXCE WorldCupにも参戦、この競技の魅力にハマりもっと強くなって勝負がしたいと強く思うようになってきた。そして再び海外のXCEレースに挑戦するためにも全日本タイトルがどれだけ重要なものか再認識することができた。


自分自身と向き合いXCE競技と向き合い

この競技で勝つ為に必要な要素とは?

今の自分が持っているものは?

今の自分に足りないものは?


2020年全日本選手権のタイトルを奪還する為に、短期・中期・長期の目標を立てて『トレーニング・栄養・休養』も見直し、自分で考え時には各専門家に相談して、一つ一つやるべきことを積み重ねることに専念した。


〜コース&使用機材〜


大会のレーススケジュールやコースプロフィールなどの情報が直前までなかなか更新されずにいたが、大会2週間前には千葉公園に会場視察、公園内を散歩しながらどこがどんなコースになるのから勝手に想像しながらイメージ作りをした。


レース日前日の金曜日に会場入りし、まず徒歩でコース全体を見回してからオフシャルトレーニング(コース試走を行った。コース長は1周約500mメインは平坦路とジャンプ・ラダーバームの人工造作物が3ヶ所、コーナー数6ヶ所、予選タイムトライアルは1周、決勝ヒートは2周。実際に走ってみるとコース幅があるようでない、抜きどころが以外と限られているなぁという印象、1人で走るベストラインと4人で走ることを想定したライン取りをイメージしながら前日の試走時間を終えた。そして夜中には雨が降り、当日コースは全面スリッピーな路面に化けていて、特にアスファルトはバイクを少し倒しただけでフロントタイヤもスリップしてしまうほど。使用タイヤはコンチネンタルのレースキング、ドライ路面向きのオールラウンドなタイヤで転がりの良さとグリップ力のバランスの良さで選んでいる、普段から愛用している1番信頼しているタイヤだ。1.3-1.7気圧で0.1気圧ずつ試した結果1.6気圧に設定、Fサスはリバウンド遅めコンプレッションやや強めに設定した。駆動系はフロント36T楕円(RIDEA)リア11-30Tのロードカセットを使用、加速力とスピードにフォーカスした選択。



〜レース〜

レース当日は5時半起床、ホテルから徒歩2分のエニタイムに行きストレッチやウェイトで刺激を入れ筋肉へのモーニングコール。消化のよい炭水化物を中心に前日と当日に適切な量を食事で摂取したのでエネルギーチャージもバッチリで会場入り。

気温も9℃と低く雨が降ったり止んだりなかなか寒い。
試走時・予選・決勝と走って⇄止まって繰り返しになるので念入りなウォーミングアップと身体を冷やさないでどう過ごすのかがとても重要となった。選手用Warm Upエリアにフィードバックスポーツのポータルバイクトレーナーを持ち込み、しっかりとウォーミングアップしていく。スタートリストを見ればXCO・DHI・CX・BMX種目を得意とする選手も多く参戦していて、今までとは違う闘いになるかもしれないと感じたが、そんなことどうでもよくてこれはXCEという競技。『自分がやってきたことをしっかり出せば結果はなるようになる』と自信をもってスタートラインに立った。
予選タイムトライアルは全開では攻めすぎずに良いイメージを持って走ることを意識し7割程のチカラで走り予選は7位通過。32名が4名×8組に振り分けられてトーナメントが組まれた。ここから先は上位2名だけが勝ち残り次のヒートへ進め、他の選手はEliminateされていく。2分10秒-30秒ほど全力で走り、勝ち上がれば最大4本走ることになる、これがエリミネーター競技。

(photo by Satoshi Yamada)

(photo by Kazutaka Inoue)

1/8決勝(一回戦)
7.澤木 10.詫間選手 23.高平選手 26田丸選手 
4名のうち予選結果から1番手、スタート位置はインから2番目を選択。スタンディングスタートでホールショットを決める。第二コーナーあけのストレートで踏んだら後は一気に離れたので、途中からイーブンペースで走る。2周目のWIAWISジャンプを過ぎたら後方2人が落車したことがわかり、ペースダウンして次のヒートに備えて脚を温存。戻るとすぐにローラー台で脚を回し加えてアキュパワーはりきゅう院の山田さんにマッサージをしてもらい乳酸処理と強張った筋肉をほぐしてもらう(実はこれがめちゃめちゃ効果があった)

(photo by Sumpu photo)

1 /4決勝(二回戦)
2.永田選手 7.澤木 15.黒瀬選手 23.高平選手
スタート位置はインから2番目。イン側には予選2位でDHIの永田選手、スタート後サイドバイサイドで並ぶが前にしっかり出れて先頭で第一コーナーへ、その後はイン側をしっかり締めながら二回戦も突破。脚の調子はとても良いのだが、上腕と肩周りに乳酸が溜まってきていて山田さんにマッサージで流してもらった。

(photo by Kazutaka Inoue)
1/2決勝(準決勝)
3.中村選手 7.澤木 11.北林選手 15.黒瀬選手
2番手にコース選択権があるので1番イン側を選択。隣にはチームメイトで予選3位の中村龍吉選手、ビッグファイナルをかけての勝負。滑りやすい路面だがスタートダッシュもバッチリ決まり、先行逃げ切りを狙いペースを上げる。2周目のバックストレートで少しスピードが鈍り北林選手に捲られるが、2番手をしっかり維持してビッグファイナル進出。

(photo by Shigeyuki Najawshima)

FINALS(決勝)
4.山口選手 7.澤木 9.前田選手 11.北林選手
いよいよビッグファイナル。ここで勝ったやつが日本一になる。XCO競技では優勝経験も多い伸び盛りの若者たち。再び雨が降り出しさらに滑りやすい路面になったが、スタートに全集中してしっかりとホールショットを決める。第二コーナーは丁寧に曲がり、バックストレート区間では1人だけに前に出させて2番手ツキイチで2Lap目へ、不思議なくらい冷静に周りを見れていて、走っていて楽しくて笑みが出るほど、脚もまだまだ残っている。勝負の仕掛けどころは2周目のバックストレート、先行する北林選手が力強くダンシングする脇をさらに捲って前を狙う、荒木山ダウンヒル入り口手前でイン側に寄せられて行き場を失いかけたが、さらにイン側の縁石を乗り越えて下りでイン差し成功。舗装路の最終ストレートでは右側ラインで先行、最後の直線はモガき合い最終コーナー直前でサイドバイサイドのブレーキング勝負。ベスラのダウンヒルパッドの制動力とコントロール性を発揮させて最短でコーナリング、最後の立ち上がりしっかり踏み切って先頭でゴール。勝った、俺が勝った。

photo by Shigeyuki Nakashima

(photo by Sumpu photo)

ゴールした瞬間たくさんの仲間が待っていてくれて泣きながら喜んでくれた。僕も感情が溢れてしまい涙しながら喜び合った。

2年ぶり2度目の全日本チャンピオンタイトル獲得し
再び日本一になることができた。



最高のサポートをしてくれたチームスタッフ
自分がやりたいことを支えて後押しせてくれた人たち
ありがとう。

ここまでほんとうに長かったし
1人の力だけではたどり着けなかった。

この世に生まれて
たくさんの人に出会い
たくさんの人に支えてもらい
今の自分がいる。
ありがとう。

全日本タイトル獲得は一つの目標だけどゴールではなく通過点、ここからまたスタート。競技者としてこれからも更なる高みを目指していきます。もっともっとチカラをつけて技術を磨きます。一技万練。

こんなに夢中になれるMTBが僕は大好きだし、
これからもこのスポーツに関わっていきたい。
『みせるスポーツ、みていて楽しいスポーツ』
になるように、これからも努力していきます。

コロナ禍で世の中大変なので情勢な中
素晴らしいコース、素晴らしい大会を作ってくれたた大会関係者の皆様、ありがとうございました。

来シーズンのことはまだわかりませんが
チャンスがあれば再び海外へ挑戦したい。

目指すはXCE World Cup Top5
そして東京でのXCEワールドカップ開催。

夢と野望ははこれからも高く。

これからも応援よろしくお願い致します。

acu-power Racing Team 澤木紀雄