妻の役割(26) | 夫の知らない妻

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官能小説「他人に抱かれる妻」別館です。

深夜のリビングルーム。

 

高鳴る鼓動を感じながら、私は画面を凝視し続けた。

 

そこに映る妻もまた、鼓動を高め、興奮を感じ始めているに違いない。

 

「何を始めるんですか、橋口さん」

 

首筋を撫でてくる彼の手を優しくあしらいながら、妻は艶めいた視線を投げた。

 

「奥さん、わかっているでしょう」

 

「今日は中川君は帰ってきませんよ」

 

宮野、そして北原がワインを舐めながらささやく。

 

二人の足は、どうやらテーブルの下で妻の脚をいじめているようだ。

 

彼らの足は妻の美脚を広げ、ワンピースの奥にぐいぐいと侵入しているのかもしれない。

 

「駄目っ、そんな奥まで・・・・」

 

笑みを浮かべながら、妻はどこか気持ちよさそうな声で二人に警告を与える。

 

「酔いも回ってきたようですし、奥さん、そろそろ楽しませてください、私たちを」

 

なまめかしく光る妻の首筋を愛撫しながら、橋口が興奮を隠せない様子で言った。

 

「どうやって楽しませればいいんですか、皆さんを」

 

とことん焦らすように答えながら、妻は橋口のマッサージを素直に受け止めている。

 

「もう、奥さん、わかってるくせに」

 

「ふふふ、私、わかりませんから」

 

テーブルの上、そして下から受ける男たちの意地悪を何とか制しながら、ワイングラスを回す妻。

 

笑みを浮かべる男たちを見つめ、質問を投げる。

 

「ゴルフ場でしたようなこと、今夜またしたいんですか、ここで?」

 

「奥さん、あんなお遊びじゃなくて、今夜は大人の女として俺たちを楽しませてください」

 

徐々に本音を明かすような雰囲気で、宮野が妻を見つめる。

 

「この国に来て、女性のほうはもう、すっかりご無沙汰なんです、俺たち」

 

「こんな海の彼方で、何年も男一人で暮らしてる身にもなってくださいよ」

 

男たちの正直な言葉に、妻は恥ずかしげに頬を赤らめる。

 

だが、私は冷静だった。

 

お前たち、嘘だろ、それは。

 

つい最近まで、林君の奥様の体を好きなだけ楽しんだはずだぜ。

 

夫に見せつけるように、彼の前で奥様を順番に愛したんだろう。

 

部下の若い妻を抱けるなんて、いい身分なことだ。

 

だが、そんな強気なセリフをつぶやいたところで、私には画面の中を止めることはできない。

 

そのときの私は、まだどこかで妻を信じていた。

 

まさか、最後まで許すことはないはずだ・・・・。

 

そんな私を動揺させるように、橋口が隣に座る妻を強く抱き寄せる。

 

「ねえ、奥さん、いいでしょう」

 

乱れ始めたワンピースの胸元を揉みながら、彼は妻の唇を吸った。

 

「あんっ・・・・」

 

ワイングラスをテーブルに置き、彼のキスを受け止める妻。

 

彼の舌が遠慮なく伸び、戸惑いつつ、妻もそれに応えていく。

 

「あっ・・・・、あんっ・・・・」

 

時間をかけ、ゆっくりと唇を吸い合う二人。

 

キスを終えた時、妻の表情には明らかな快感の気配が漂っていた。

 

「わかりました、みなさん」

 

甘い声でささやきながら、妻は言葉を続けた。

 

「でも、もう少しだけ、ここで飲みませんか」

 

時間稼ぎをするような妻の言葉に、3人はしかし、落胆した様子は見せない。

 

「奥さん、焦らすのがうまいんだから」

 

たっぷりとキスを交わした妻の肢体を見つめ、橋口が言葉を続ける。

 

「じゃあ、奥さん、少しずつ楽しませてください、私たちを」

 

「そうしましょう、時間をかけて。ねえ、皆さん」

 

3人が意味深な笑みを浮かべて視線を交わし合う。

 

そして、宮野が言った。

 

「じゃあ、奥さん、ワンピースを脱いでもらいましょうか」