妻の役割(3) | 夫の知らない妻

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官能小説「他人に抱かれる妻」別館です。

「えっ、海外駐在?!」

 

その知らせを聞いた妻は、舞い上がった様子で声を弾ませた。

 

 

海外旅行が好きな彼女にとって、駐在員の妻になることはある意味で夢だったのだろう。

 

「でも行き先がとんでもない場所だぜ」

 

「どこなの?」

 

「アフリカのここだよ」

 

私は妻に国名を教えた。

 

子供の頃、社会の授業で地図帳を眺めていたときの記憶が一瞬よぎった。

 

名前は聞いたことがあるが、正確にはそれがどこにあるのかわからない。

 

そんな国なのだ。

 

だが、妻は困惑する様子を見せることなく、明るく答えた。

 

「面白そうじゃない。それに、他の駐在の方もいらっしゃるんでしょう?」

 

「そうだな。皆、単身者だと思うけど、3人か4人くらいいるはずだ」

 

「だったら大丈夫よ」

 

「不安はないのかい?」

 

「全然。早く行きたいわ。いろんなことが経験できそうだもの」

 

 

3ヶ月後、私たち夫婦は日本を出発し、世界の果てとも言える国に向かった。

 

そこにどんな結末が待っているのかも知らぬまま。