黒伯爵は星を愛でる 第10巻 音久無著
ハイランド編終わりの巻ですね。
叛逆の吸血鬼アーサーは死を前にして過去を振り返る。物心ついた時から自分には「情」というものがなかった。アーサーはもっとも原始的な吸血鬼だったのかもしれない。
ギルモア侯爵から子どもの頃言われた「期待しているぞ」その言葉がアーサーの心に残る。
クリスとギルモア侯爵が袂を分かちながらも度々親交を深めていた時、心の中にわいた小波。
ギルモア侯爵はエスターたちの母親となるメグに惚れまくってデレデレのヘロヘロになってしまって、そこからアーサーはいよいよ許せなくなってきて彼を殺そうという方向に向く。最期にやっと彼に抱いていた思いが「情」だったのだと分かる。
「期待しているぞ」
殺し文句だったのね〜。
死してなお、コウモリが何匹にもなって…あれって情念が残って再び再生するってやつですかね?
ギルモア侯爵さんは湖浚うって言ってるけど
池の水全部抜きました!が浮かんだわ。
レオンはエスターの気持ちを汲んで、結婚式までの一ヶ月間ギルモア侯爵と過ごすように言ってくれる。
笑っちゃうぐらいのやせ我慢と寸止め。レオンがんば!
ギルモア侯爵からお母さんとの経緯を話してもらって「お父さん」と思わず呼んでしまうエスターと照れてしまう侯爵が可愛いです。
しかしメグに、際限なく惚れてたお父さんですねぇ。
メグもすごく愛していたからこその選択だったわけだけど、切なすぎる。
アリスがアルジャーノンだとわかっていたエスター。いや、ここはわからない方がおかしいだろ?と突っ込んでました(笑)
お父さんと一緒に結婚式に臨むエスター。クリス様も憎たらしい叔父さんも(笑)、こっそり通りがかったアルジャーノンにも見守られて幸せいっぱいのエスター。
レオンに恋をするまで知らなかった。
大好きな人に触れることが
触れられることが
こんなにもこんなにも
愛しいのだということを…!
ハッピーエンド!じゃなく続く。
何故ならアルジャーノンですよ。何故、彼がエスターと別れてクリス様の元へ行ったのか?
持参金目的ではないことはわかるけど、ここにきて小出しされてきたよ。もちろんクリス様はなにもかも承知の表情。それもすごく切なげなの。
エスターとアルジャーノンは吸血鬼と人間のハーフ、ダンピール。アルジャーノン→クリス様
「僕には時間が無いんだ」
なんとな〜く、想像つくようなつかないようなドキドキの展開になりそうです。
しかし、今巻は花とゆめには珍しくポッ///なシーン満載だったなぁ♡
マッチョなレオンに驚いたわ。脱いだらすごいんですってやつね。