ティファニーワンダー展に行ってきました

 

歴史的価値も伴うので、おそらく数億円は下らない作品がずらずら並ぶワンダー展、多くの人がその魅力に釘付けになっていました。展示場は、虎ノ門ヒルズの45階にあります。ただでさえ展望の良さからくる優越感に加え、外国人のセキュリティ・サービスによる緊張感が、日常にはない凛とした高級展示会を演出させていました。

 

この会場は、鉱物展によく行かれる方には是非とも行ってほしい展示会です。言わずもがな、鉱物の原石は、それだけで美しいのですが、それを磨くと別の物質に変化します。その魔性というか妖艶な輝きは、同じ鉱物とは思えない奇跡の光のように思えます。例えていうならば、南国の島で見上げるような星のまたたき、日の出寸前の七色に光る朝露のようなものが、結晶化してポケットに入るようになった、そんな気がする奇跡の物体なのです。

 

 

 

 

 

展示会はいくつかの構成に分かれていましたが、後半のキング オブ ダイアモンドと呼ばれる展示より、天然石を中心とする前半の展示の方が魅力的でした。ハイエンドブランドは、セレブを中心とする購買層に傾倒し、より価格の高いダイアモンドに販売ターゲットを移していますが、ティファニー自身は、色の綺麗な天然石がとても好きだったんだろうなと想像できます。それもガーネットやトルマリン、アメジスト等の天然石を多用して最大効果を発揮していました。幾何的な精密カットに溺れることなく、柔らかい曲線をアピールしている宝石美学の頂点です。私としては深く勉強になりました。

 

 

 

 

 

 

特筆すべきは、会場に宝石職人がいてデモを行っていたことです。宝石カットの仕方は、Webに沢山出ているようで、実は細部の技法に関して、まったく明らかにしていません。おそらく宝石作家の企業秘密になっているのでしょう。この会場でも宝石をカットするところは見せていませんでしたが、道具を展示していることで、どのようにカットしているか私にはすぐに分かりました。なんと私の様な町工場的な宝石カットと同じやり方で、ティファニーも、宝石を作っていることが分かりうれしくなりました。

 

 

ティファニー展は面白いので、もう少し続けます。